想い出に残る、懐かしのマイコン・パソコンを写真とともに振り返る本コーナー。今回は少し趣向を変えて、当時の周辺機器を取り上げる番外編として、「データレコーダ・そのほか編1」(前編・中編・後編の計3回連載)としました。
マイコン・パソコンの記録媒体として長らく使われた(そして、今でも使われている)のがカセットテープですが、そこへデータを記録したり読み出すための専用ハードがデータレコーダでした。一般的なラジカセなどでもデータの保存や読み込みは可能ですが、確実にセーブやロードを行うには専用の機器が欠かせません。1980年代前半には、NECをはじめとした各社からさまざまなモデルが発売されていましたが、今回は主にMSXパソコンをリリースしていたメーカーから登場したデータレコーダをピックアップしてみました。
サンヨー MR-DR33
当時、かなりの台数が出回ったようで、今でもオークションサイトやフリマアプリでの出品で頻繁に見かけるデータレコーダです。発売されたのは1984年で、価格は12,800円でした。
こちらも、MR-DR22と同じく外箱に“pasomate”と書かれていますが、型番にならって“pasomate33”が愛称でした。さらに、新たに「パソコンとのヒューマンなふれあい」というキャッチコピーも追加されています。
MR-DR22と比べて横幅が広く、テープの操作ボタンは本体左側、それ以外のボタンなどは右側に配置されていました。操作ボタンには英語でSAVEやLOADという文字だけでなく、大きく“◯”や“□”などが記されていて、パッと見でもどのような動きをするのかがわかりやすくなっているのが特徴です。
また、MR-DR22が備えていたP.M.SWITCHは、LEVEL FIXボタンに変わりました。今回は、このボタンをオンにしているときはロードレベルが固定され、オフにした時のみレベルスライダでロードレベルを変えられるという仕組みになっています。もちろん、フェーズの切換スイッチやモニタ音のオンオフスイッチもあるほか、2400ボーでの倍速ロードにも対応していました。
経験上、MSXでのロードではほとんど失敗したことがないので、なかなか相性が良いことが分かります。また、ぴゅう太でのセーブ・ロードにも最適という話があるそうなので、気になった人は入手して試してみてください。
サンヨー PHC-DR II
1986年に発売されたモデルで、価格は12,800円でした。従来のMR型番ではなく、MSXの本体に付けられたPHC型番シリーズとなっていて、新たにこれまでにはなかった一時停止ボタンを搭載しています。
イジェクトボタンを押すと蓋が静かにオープンする、今回取り上げたビクターのモデルと同じ機構を採用していて、これまでのMR型番と比べて高級感がありました。テープに関する操作ボタンは手前側に、それ以外の操作スイッチはすべて左側面に纏められています。手前側の形状も垂直や斜めではなく、約85度程度の傾きになっているほか、何故か天面も平らではなく奥に向かって少し傾斜しているユニークなデザインでした。このために、上部にもう一台データレコーダを積もうとすると、ちょっとした弾みで後ろに滑り落ちてしまうため、重ねて使うには少々テクニックが必要です。
以前のMR型番には存在したスライダが本機では省かれ、用意されたのはすべてオンオフだけを設定するスイッチとなります。なかでも、REMOTE CANCELスイッチをオフにするとパソコン側から送られてくるREMOTE命令を無視するようになっているのですが、これはNECのデータレコーダのボスクラスだったDR-330が備えていたREMOTEスイッチと似たような機能でした。
本機はMSXだけでなく御三家との相性も良く、筆者も現在PC-88やFM-7、MSXで使用していますが、失敗したことはほとんどありません。
からの記事と詳細 ( さまざまなメーカーから数多くの機種が登場したデータレコーダたち(後編) ~ サンヨー MR-DR33とPHC-DR II ~ - AKIBA PC Hotline! )
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