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Sunday, February 20, 2022

【読んだよ 読もうよ】忍者もスパイも普通の人も使っている、様々な道具のお話を紹介 - 読売新聞

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 今月は、 忍者にんじゃ もスパイも 普通ふつう の人も使っている、様々な道具のお話です。

 第2次世界大戦中、イングランド北東部の小さな港町で らしている16 さい のチャス。ある日、 砂浜すなはま平底ひらぞこ のボウルに せた 発信機はっしんき らしき物を発見した かれ は、 敵国てきこく ドイツのスパイが町に ひそ み、この 装置そうち を海に流すことで、 潜水艦せんすいかん Uボートに 情報じょうほう を流しているのではと うたが います。そして 個性こせいゆた かな友達と 面白半分おもしろはんぶん にスパイ さが しを始めたものの、思わぬ 展開てんかい に……。

  『水深 五尋ごひろ 』(岩波書店) には、戦争中の小さな町の 状況じょうきょう だけではなく、青少年たちの 心情しんじょう の変化などが 繊細せんさいえが かれています。町の 権力者けんりょくしゃ たちの身勝手な 振る舞いふま や、お金がない人たちの暮らしぶり。戦争で大切な家族をなくして 途方とほう に暮れる人々の悲しみ。スパイ捜しをしていく中で、彼はさまざまな戦争の 現実げんじつ を思い知らされます。それでもくじけずに成長するチャスの 姿すがた に心打たれました。

 テンポよく物語が進んでいくので、ハラハラドキドキしながらあっという間に読むことが出来ます。一つ一つのパーツが最後にはパズルのように一つに組み合わさるので、読んでいる だれ もがあっと おどろ かされるでしょう。チャスと 愉快ゆかい な仲間たちと 一緒いっしょ に、 冒険ぼうけん をしてみませんか。

  『なるほど忍者 大図鑑だいずかん 』(国土社) は、 なぞ に包まれている忍者の様々な 情報じょうほう が分かりやすいイラストや写真で楽しく 紹介しょうかい されています。

 三つの章に分かれていて、 手裏剣しゅりけんなわ ばしごなどの「忍者の 武器ぶき と道具」、動物を あやつ り地図も作った「忍者の じゅつ と戦い方」、薬を作り天気も予想した「忍者の生活」など色々な活動を学べ、歴史を書いたおまけのページもあります。

 忍者は 現代げんだい のスパイのような 存在そんざいてき に見つからないように情報を集めるため、農民や商人などに 変装へんそう して 油断ゆだん させます。使用する武器も 特殊とくしゅ で、例えば、 釣り竿つざお刃物はもの仕込しこ んだり、 縦笛たてぶえ尺八しゃくはち から 吹き矢ふや発射はっしゃ したり、見ただけでは分からないような 細工さいく をしています。

 また、火薬は忍者が 活躍かつやく した戦国時代の最新 技術ぎじゅつ でした。木炭、 硫黄いおう硝石しょうせき が材料で、 ぜる 割合わりあい秘伝ひでん でした。

 今のように 携帯けいたい 電話もない時代は、仲間と 連絡れんらく をとるのは大変でした。そこで敵に分かりにくい石の目印で 隠れ家かくが を知らせたり、鏡を使った「光通信」や動物の鳴きまねで連絡をとったりしました。いろんな 工夫くふう知恵ちえ で歴史を動かした忍者の世界を、のぞいてみてはどうでしょうか?

 人間が らしを便利にするために作り出してきた様々な道具に注目してみましょう。

  『昔のくらしの道具事典』( 岩崎いわさき 書店) 《1》は、明治、大正、昭和時代に使われていた道具110点 あま りを紹介する大型図鑑。昔話に出てくる「いろり」や「かまど」、 食卓しょくたく として家族が囲んだ「ちゃぶ台」等の仕組みや年代、使い方を分かりやすく説明します。素材の 質感しつかん まで伝わる大きな写真を なが めつつ昔の暮らしを思い かべてください。

 手前に 巨大きょだい なトノサマバッタ。その向こうに広がる空と海。普通ならどちらかがぼやけてしまう近くと遠くの 被写体ひしゃたい を、どちらも 鮮明せんめい に写すカメラ「クリビジョン」。開発したのは 昆虫こんちゅう 写真家の 栗林慧くりばやしさとし さんです。 『アリになったカメラマン』( 講談社こうだんしゃ 《2》で、その開発の足取りを語ってくれます。小さなアリを 拡大かくだい 写真でくっきりと写したい、 飛翔ひしょう する昆虫の連続写真が りたい……。その目標に向かって、栗林さんは 独学どくがく創意そうい 工夫を重ねます。 閃光せんこう 時間が ちょう 短いストロボ、 医療いりょう 用の 内視鏡ないしきょう 、ビデオ用レンズ等をあれこれ試し、途方もない時間を費やして、最終的には「アリの目からみた風景を写す」 特殊とくしゅ なカメラを作ることに成功します。カメラの仕組みや歴史も 図版ずはん を交えてやさしく 解説かいせつ迫力はくりょく あるカラー写真もたっぷり入っています。

  『リトルベアー 小さなインディアンの 秘密ひみつ 』( 小峰こみね 書店) 《3》の主人公オムリ少年が 誕生日たんじょうび にもらったのは、古い 洗面戸棚せんめんとだな と、インディアン(北米先住民族)のプラスチック せい の人形。その人形を戸棚に入れ、たまたま合ったひいおばあちゃんの形見の かぎ をかけました。 よく 朝、戸棚から聞こえる音で目を覚ましたオムリは、人形が数百年前のイロコイ族首長の息子リトルベアー(小さい くま )としてよみがえったことを知ります。身長10センチ足らずの ほこ り高きインディアンと少年の間に 奇妙きみょう友情ゆうじょう が芽生えます。が、まもなく友達のパトリックがそのことを知り、彼のおせっかいで、西部 げき では 敵同士てきどうし のカウボーイの人形までよみがえってしまいます。オムリはリトルベアーとの秘密の生活を守り通すことができるのか……ドキドキの連続です。

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