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Friday, January 27, 2023

プラ使わない エコな紙製とじ具 等々力の町工場が開発 用紙などと ... - 東京新聞

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開発した紙製とじ具ロックペーパーを手にする堀端さん

開発した紙製とじ具ロックペーパーを手にする堀端さん

 川崎市中原区の町工場が、紙製の書類のとじ具を開発した。プラスチックを使わないエコ仕様で用途は多様だが、特殊な穴開け器具を必要とするのが悩みの種。すでに穴を開けた用紙ととじ具をセットにした自家用「綴(と)じ本」キットのアイデアを温めている。(中山洋子)

 「ロックペーパー」と名付けた紙製とじ具は、等々力緑地近くで金属加工業を営む堀端(ほりばた)明雄さん(77)が開発した。

 長さ約九センチ、幅約一センチのとじ具は、三つの穴を開けた紙の束に差し込んで真ん中の穴に端を押し込んでとじこむしくみ。五十〜百枚の紙の束をとじることができる。

 十年ほど前、取引先が書類を廃棄するためホチキスの芯を外すのに苦心しているのを見て「紙だったらそのまま廃棄できるのでは」と開発に着手した。アイデアと工夫でさまざまな部品をつくってきた町工場の身軽さで、一年ほどでロックペーパーのしくみを考案。特許も取得したが、すでにホチキスの芯ごと大量の書類を溶かせるサービスが普及していることを知り、商品化を断念したという。

1カ月以上かけて製作した穴あけ器具

1カ月以上かけて製作した穴あけ器具

 「仕方がない」とあきらめていた技術だったが、二〇一九年ごろ、知り合った俳句グループが「句集を作りたいが製本費用が高い」と漏らすのを聞いてひらめいたのが、ロックペーパーを使った自家製本だ。

 紙の束に穴を開ける器具は、一カ月以上かけて自作した特殊なもの。商品化を考えると五万円以上になり実用的ではない。「穴を開けた紙にとじ具や表紙、背表紙などをつけてセットで販売するのはどうだろうか」。試作を重ねながら、ロックペーパーを生かす試行錯誤を続けている。

 堀端さんの工場がある一帯は、最盛期には約四十社がひしめいた町工場群。観光ツアーにもたびたび組み込まれた人気スポットだが、後継難などで廃業も相次ぎ、地域の町工場でつくっていた「等々力工業会」は二〇一八年に解散した。

 堀端さんは残った仲間とともに今も、ものづくりの魅力を伝えるさまざまな取り組みを続けている。「ロックペーパーは最後の仕事になるかも。工夫を重ねて、人の役に立つものにしていきたい」と話している。問い合わせは、堀端製作所=電044(733)0820=へ。

ロックペーパーと実際にとじたA4判の紙束=いずれも中原区で

ロックペーパーと実際にとじたA4判の紙束=いずれも中原区で


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