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Tuesday, November 2, 2021

デューク大のコンピューター科学者はなぜ「DEI」を学ばせるのか? - MITテクノロジーレビュー

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人によっては、ニッキー・ワシントン教授を社会科学者だと勘違いしているかもしれない。ワシントン教授は長年、自分のようなコンピューター科学者は、自身のアイデンティティが仕事にどのように影響するかをもっと理解すべきだと主張してきた。2020年6月にデューク大学に赴任したワシントン教授は、人種、性別、階級がテクノロジーの発展に与えている影響を分析する画期的なコースを立ち上げた。

ワシントン教授が、コンピューター科学において課題となっているDEI(ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(衡平性)、インクルージョン(包摂性)と、この分野で自分の道を見つけるまでの経緯について語った。本インタビューは明瞭化のため要約・編集してある。

——デューク大学でコンピューター科学を学ぶ学生は、圧倒的に白人やアジア系の男性が多いですね。あなたのコースで人種、性別、階級について議論しようと思ったのはなぜですか?

テクノロジー分野における多様性の欠如を十分に認識していた私は、より多くの黒人や褐色人種の学生をコンピューティングに早くから参加させるよう常に取り組んでいました。しかし、しばらくして、それがもはや無意味なことだと気付きました。なぜなら、人種差別を受けるような分野に学生たちが留まることはないからです。白人、アジア人、男性が圧倒的に多くを占めるコンピューティング分野における従事者のマインドセットを変え、新たな視点を持つことがより多くのイノベーションにつながることを認識してもらわなければなりません。

——コンピューター科学では社会科学の要素を強化する必要があると言っていますね。なぜでしょうか?

テクノロジーの問題は、テクノロジーから始まるのではありません。人々が学び、働く環境から始まります。ヘルスケアなどの分野では、幅広い背景やアイデンティティを持つクライアントや患者と仕事で関わるため、異文化適応力を訓練しています。私たちが開発しているコンピューティング・テクノロジーはそのような人々に同等に悪影響を及ぼす可能性があるのに、なぜそうしないのでしょうか。

—— 多様性に向けた取り組みがあまりうまくいっていないのはなぜでしょうか?

マイノリティの数や代表者を増やすことに集中しているからです。しかし、マイノリティの人々を増やしたところで、その後はどうなるのでしょうか。環境を変えなければ、そうした人々を受け入れたところで、すぐに去ってしまうでしょう。

大学から産業界まで、あらゆる取り組みは、最も疎外された、あるいはマイノリティのアイデンティティを持つ人材の不足に集中しています。ですが、問題なのは彼らではなく、彼らを疎外する全ての人々なのです。

——権限がある人々には何ができるのでしょうか?

そうした人々は、自分がこれらの問題についてとりわけ詳しいわけではないことを自覚しなければなりません。ですから、何よりもまず、黒人女性の声に耳を傾けてください。黒人女性は多方面で問題を訴えてきました。第2に、マイノリティに対する抵抗感をできる限り受け入れ、不快感と向き合うことです。つまり、自分が慣れ親しんだ環境を忘れ、再構築するのです。

——コンピューター科学者の母親を持つことは、あなたのキャリアの選択にどのような影響を与えましたか?

母が1973年に大学を卒業したとき、彼女は疎外され、無視され、問題のある上司と付き合わねばなりませんでした。しかし、黒人大学を卒業し、IBMに同期入社した少数の友人たちもいました。人々はレプレゼンテーション(メディアなどでマイノリティが公正に描かれること)がいかに重要であるかについて話しますが、私にとっては本当にそうでした。自分と同様の外見のプログラマーやエンジニア、上司を普通に見るようになりました。

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