Pages

Monday, November 29, 2021

“結婚適齢期”に疑問、「恋愛は必要ない」さまざまな生き方描く作品に反響 「自由な時代だからこそ、考え過ぎたり迷走する」|秋田魁新報電子版 - 秋田魁新報

mungkinbelum.blogspot.com

※写真クリックで拡大表示します

LINEマンガで連載中の『ラブミーテンダーにさようなら』(C)Chinami Akio/LINE Digital Frontier
LINEマンガで連載中の『ラブミーテンダーにさようなら』(C)Chinami Akio/LINE Digital Frontier

 人生初の彼氏に裏切られ、独身人生を謳歌していくのだと決心した牧村幸恵。成り行きで“恋愛禁止シェアハウス”に引っ越すと、そこにはそれぞれの恋愛観を持った住人たちがいて…。『第2回LINEマンガ大賞』で唯一の最優秀賞を受賞した話題作『ラブミーテンダーにさようなら』。「恋愛は必要ない」という境地に至った牧村をラブコメディで描こうと思った理由や、作品に込めた想いについて作者・明生チナミ先生に話を聞いた。

【漫画】「恋人、結婚…人間それだけじゃない!」元カレの浮気で独身謳歌を決意、“恋愛禁止シェアハウス”生活がスタートも…?

■“結婚適齢期”への疑問がきっかけ、 「一人で生きていけそう」は褒められているようでさみしい言葉

――「恋愛にとらわれたくない女性」を主人公に、作品を描こうと思ったきっかけを教えてください。

【明生チナミさん】友人と話している時に、家族や上司に「結婚適齢期逃すぞ!」と言われて窮屈で…という話が出始めたのがきっかけだったと思います。「適齢期…いつそんなものが…え? もう通り過ぎたの?」と、そんなことを話したり、考えているうちに生まれたキャラクターです。

――本作は『第2回LINEマンガ大賞』最優秀賞受賞作としても話題です。読者からも「続きが気になるという」という声が多く寄せられ、期待も大きい中での連載開始となりましたが、プレッシャーはありましたか?

【明生チナミさん】レジで小銭を出すのに時間がかかったらすぐ札で済ませるくらい圧に弱いので…プレッシャーについてはなるべく考えないようにしているのですが…。描きたかった「恋愛は必要ない」という心境になっている主人公のお話を、恋愛漫画として待っていてくださっている読者さんに楽しんでもらえるように、どう見せていくかはとても悩みました。

――「恋愛が必要ない」といえば、主人公のことを「ひとりで生きていけそう」という同僚の発言に対して、周りが“ディスり”だと受け取るなか、主人公は前向きに捉える描写が印象的です。

【明生チナミさん】「ひとりで生きていけそう」って強いと褒められているようで、言われたらさみしいような不思議なワードですよね。私は「ひとりで生きていけそう」=「選択肢が多い」ということだと思っているので、幸恵のような状況の時には背中を押してもらえるポジティブな言葉と捉えることも出来るのではないかと思い、あのシーンを描きました。でもさみしく感じる人は「ヤダヤダヤダやめて! 支えて!」と、その場で我慢せずキレ散らかしてみても可愛いと思います。

――「恋愛禁止のシェアハウス」を舞台にした理由を教えてください。

【明生チナミさん】恋愛に疲れた主人公が逃げ込む場所に、いろいろなタイプの「恋愛が必要ない」人たちが集まっていたらドラマが生まれるのではないかと思い、「恋愛禁止シェアハウス」という設定を考えました。

――確かに、「とりあえず体が充実してればいい派」のモカや、彼女が複数いる高瀬など、シェアハウスの住人たちは、一般的には批判されがちな恋愛観をもっていますね。

【明生チナミさん】個人的にはモカや高瀬のような恋愛観も、「今の世の中何でもアリだ!」と思っています。いろいろな人がいた方が楽しいですね。でも恋愛が自由な時代だからこそ、考え過ぎたり迷走したり、それがつらくて面白いなと感じながら描いています。

――彼氏との素敵な思い出を冷静になって考えてみると、いいセリフだけがトリミングされていたことに気づいて冷める主人公。その様子に、読者からも多くの共感の声が寄せられていました。こうした“恋愛あるある”の元になったエピソードやモデルはいるのでしょうか?

【明生チナミさん】コメントしてくださる皆さまと、恋愛あるある大喜利大会したいです。いつもありがとうございます。描きたいキャラクターやテーマは人と会話していて、それを自分のフィルターに通した時に生まれることが多いです。

■恋愛に疲れた主人公の気持ちを表現、タイトルに込めた想い 秀逸と話題のコメディにも注目

――多様な恋愛観を描く一方で、「(元カレと暮らすより)ナショジオ観てる方が100倍有意義だ」など、作品の随所に散りばめられたコメディ要素が秀逸だと話題に。作品を描く上で、コメディとラブストーリーのバランスについて心がけていることはありますか?

【明生チナミさん】ありがとうございます。バランスは意識してコントロールできたら良いのですが…できてないです。どちらかというと、すぐにコメディに走り出すので、さすがにマズい時は担当編集さんが「あはは…でも今回そのネタはトルツメ(消去)しましょう」と優しくがっちりハンドブレーキを引いてくださっています。あと担当編集さんをキョトンとさせてしまって、鼻息荒くネタの説明しているうちに正気に返ることもあります。

――作品名『ラブミーテンダーにさようなら』にはどのような想いが込められていますか。

【明生チナミさん】タイトルの「ラブミーテンダー」は、「やさしく愛して」というエルヴィス・プレスリーのラブソングが元になっています。それにさようならと言っているのは、物語の最初の方の、恋に疲れた幸恵の気持ちでもあります。

――今の時代、多様な恋愛観があると思いますが、先生ご自身としてはどんなお考えを持っているか教えてください。

【明生チナミさん】私自身の考えはあるのですが、それもまた変わるかもしれないし…と、カッコつけましたが単に上手いこと言えないので、この漫画で皆さんといろいろな形で共有できたらなと思っています。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( “結婚適齢期”に疑問、「恋愛は必要ない」さまざまな生き方描く作品に反響 「自由な時代だからこそ、考え過ぎたり迷走する」|秋田魁新報電子版 - 秋田魁新報 )
https://ift.tt/3rjkGaq

No comments:

Post a Comment