ボディサイズの大小にかかわらず、ラグジュアリーなフレンチスタイルを全身で表現する独創的なクルマを世に送り出しているDS。BセグメントというコンパクトサイズのSUV「DS 3 CROSSBACK」はそうしたDSの世界観が最も凝縮されたモデルと言えるが、そこに今回、もう1つの新しい世界観が登場した。それが、100%ピュアEVとなる「DS 3 クロスバック E-TENSE」だ。
日本では、あまりDSにEVのイメージはなかったかもしれないが、実は2014年にシトロエンから独立してDSブランドが発足したと同時に、F1の電気自動車版とも言える「フォーミュラE」に参戦を開始。2018年、2019年と2年連続でドライバー、チームともにシリーズチャンピオンを獲得している。DSは、いち早く電動化を進めることも早々に視野に入れていたということである。
そして2016年のジュネーブショーでは、高性能なGTクーペのEVコンセプトカー「E-TENSE」を初披露。フォーミュラEで培ったノウハウを詰め込んだモデルとなっていたが、今回のDS3 CROSSBACK E-TNESEにその名が冠されたことは、姿は違えどスピリットは同じであると、暗にほのめかしているようでもある。今後、DSから登場するEVの名にはE-TENSEが付くということで、「DS7 CROSSBACK E-TENSE」の登場も近いはずだ。
さて、ここでまず、2019年6月にひと足先に登場した、ガソリン1.2リッターターボ+8速AT搭載のDS3 CROSSBACKをおさらいしてみたい。Group PSA最新のCMPプラットフォームを初採用し、4120×1790×1550mm(全長×全幅×全高)と都市部でも扱いやすいコンパクトサイズとしたボディは、同クラスでは類を見ない彫刻のようなエクステリアなど、ラグジュアリーな内外装が衝撃的だった。
とくにインテリアには、「ヘリテージとアヴァンギャルド」をテーマにフレンチラグジュアリーを表現するDSの世界観が爆発。ダイヤモンドキルティングを施したシートや、高級時計の文字盤にも施される「クル・ド・パリ」をモチーフとしたスイッチ類。あちこちにあしらわれる菱形の「トラス」と呼ばれるデザインは、世界で唯一、ルーブル美術館とのコラボレーションを許された自動車メーカーならではのものだ。
試乗してみると、出足からの軽快感は中速域に入ると力強いトルクが引き出され、上質な加速フィールをもたらす。ただし、単に滑らかなだけでなく、ドライバーとクルマの意思が通じ合うことによって、より豊かで盛り上がりのある走りが手に入るところが、ほかのコンパクトSUVとはひと味違う。3気筒エンジンであることを悟らせない、高い静粛性も手にしている。
路面の凹凸やうねりなどは、同じプラットフォームを使うプジョー「208」より20mmほどホイールベースが延ばされているものの、重心が少し高いためか振動を伴う場面もあるのだが、小さくてもSUVということで、走るために必要な路面からのインフォメーションを消さない味付けなのかな、とも思える絶妙さ。後席の足下はさすがに大人だとゆったりはできないスペースだが、包まれ感のある落ち着いた雰囲気で過ごせるのは、このクラスでは珍しい個性となっている。
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