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食生活で余分な糖分を摂ると、心臓病や慢性炎症、代謝の変化、歯の問題など、さまざまな健康上のリスクにつながることは、何度も繰り返し聞いてきた。
私たちの甘い物好きのおかげで砂糖の代用品が生まれ、今やその選択肢は数知れず。でも、ベストでもっとも健康にいい砂糖代用品は何なのだろう? そして、健康を考えると、天然の砂糖と比べてどうなのだろう?
そこで、栄養科学者と公認栄養士にさまざまなタイプの砂糖代用品と、健康を守るために知っておくべきことを説明してもらった。
人工甘味料
例:アセスルファムK(カリウム)、アスパルテーム、ネオテーム、サッカリン、スクラロース
人工甘味料とは、カロリーを加えずに味蕾が甘さを感じるように食品に添加された合成化学物質のこと。「砂糖の200〜600倍の甘さがあります」と話すのは、Stanford Prevention Research Centerの栄養科学者、クリストファー・ガードナー博士。つまり、ごく少量加えただけで、無カロリーで食品を甘くできるということ。
「コーヒーショップで黄色やブルーやピンクの甘味料の小さなパッケージを見ますが、あのほとんどは混ぜ物(フィラー)なのです。もし甘味料だけを入れていたとしたら、袋を破って開けた時に"え、何も入ってない!"と思うでしょう」とガードナーは説明する。
人工甘味料はみんなが待っていた魔法の解決策のように聞こえるけれど、それは早計というものだ。
2019年に行われたある研究で、人工甘味料を多く摂取する女性は脳卒中のリスクが高いということがわかった。
また、別の動物実験では、人工甘味料摂取は肥満や糖尿病と関係があることがわかっている。
「人工甘味料は厄介で、脳は砂糖分を摂ったとごまかせますが、体は砂糖分を摂っていないので結局はもっと砂糖分が欲しくなってしまうのです!」と、Laura Iu Nutritionのインテュイティブ・イーティング(直感に従う食事)カウンセラーのローラ・アイユー。
その上、心理的報酬という問題もあるとガードナーは言う。例えば、午後に人工甘味料入りのスナックを食べると、夕食後に、「さっきは自分にご褒美をあげなかったのだから、今度は甘いデザートを食べてもいい」と自分を許してしまう。
「砂糖代用品で私が大きな問題だと思うのは、ひどい食べ物にそれが入っていることです。それを使うことで、ほんの少しは健康的になったか? それはそうですが、健康的な食べ物になったわけではありません」とガードナー。
簡単な例がコーラとダイエットコーラだと彼は言う。どちらも栄養価はないが、ダイエットコーラには砂糖分もカロリーもない。「結局はダイエットコーラの方がコーラよりはいいですが、水に勝るものはありません」とガードナー。
ダイエットコーラに替えれば全体的なカロリーや砂糖分摂取を少し減らせるかもしれないけれど、食生活を変えない限り、すぐにより健康的になるわけではないのだ。
天然の栄養価のない砂糖代用品
例:アルロース(希少糖)、モルト、ラカンカ(モンクフルーツ)、ステビア、ヤーコンシロップ
このカテゴリーの甘味料は、基本的にゼロカロリーである点では同じだが、植物や他の食品から作られていることで、厳密に言えば人工ではない。天然の砂糖代用品は糖尿病患者が症状をコントロールするには、人工甘味料より役立つと示唆する研究もある。
「メッセージの意味で言うと、個人的にはステビアやモンクフルーツは少し心配です」とガードナー。
「"人工甘味料は体に悪そうだから、砂糖からスイッチしようとは思わなかったけど、これは天然だ。私が食べたクッキーやケーキは天然の砂糖代用品を使っているから、もっと食べられる"と思う人がいるかもしれません」。
それに、食品に直接、ステビアの葉を振りかけない限り、天然由来の甘味料も化学的な抽出プロセスを経るため完全に天然とは言えず、最終的には精製されたものが多く入ったクッキーやケーキを食べていることになると指摘する。
また、長期的に見た砂糖分との付き合い方を考えた場合、これらの代用品がどういう意味を持つのかを検討する必要がある。
「コカインと砂糖は摂取した時に脳の同じ部分が刺激されます。食べる必要もありません。それを見ることができ、クッキーを食べると脳が明るくなるとわかります。ですから、それが甘いものを食べる理由のひとつであるなら、甘い味中毒を固定させてしまったということなので、それも課題のひとつですね」
糖アルコール
例:エリトリトール(エリストリトール)、キシリトール
糖アルコールは農産物に自然に備わっているものもあれば研究室で作られるものもある。量や水分を増やしたり全体的な質感を変えたりするために(甘さを加えるのはもちろん)加工食品によく使われている。砂糖代用品のブランドの中には、糖アルコールと天然の栄養価のない砂糖代用品を混ぜ合わせているものもある。
糖アルコールでほとんどの人が知っているのがキシリトールだ。
「チューインガムにキシリトールが使われると甘くなり、砂糖による虫歯にならないことが研究からわかっています」とガードナー。
「砂糖と同じ働きはしないけれど、砂糖のような味がします。とはいえ、砂糖ほど甘くはなく、砂糖と同じくらい甘くするには砂糖より多くのキシリトールを使わなければなりません。そして、カロリーがあります」。
ということは? 栄養素がないとは言えないのだ。他には、キシリトールのような糖アルコールが消化トラブルの原因になる人もいることも注意したい。
砂糖代用品
例:アガベ、ココナツシュガー、蜂蜜、メイプルシロップ、糖蜜
これらは単に砂糖の別名だ。「どれも1グラムは砂糖1グラムであることに変わりはありません」とアイユー。「体は、白砂糖もブラウンシュガーも糖蜜も、砂糖を区別することなどできません。味蕾だけが違いを判別できるのです」。
中には他より血流に早く入る(血糖インデックス=GIが高い)ものがあるが、全体的な健康には同じような影響を及ぼす。
とはいえ、野菜や果物に含まれる天然の砂糖分と、多くの加工食品に添加される砂糖分には違いがあることに注意することが重要だ。
「砂糖が添加されたものを絶えずたくさん摂取していると、腸内の有益な細菌の割合が減り、細菌の多様性も損なわれることが研究からわかっています」とMaya Feller Nutritionのオーナー、マヤ・フェラー。
加えて、日常的に過剰な砂糖分を体に供給していると、体はついていけなくなり、血流に流れすぎてしまう。
「血糖値が上がると、体は絶えずストレスを感じている状態になります。これが心臓や目、血管系にマイナスの影響を及ぼし、さらに代謝状況のリスクも高まります」
結論
砂糖代用品は砂糖摂取やカロリーを減らすことを目的としている場合は役に立つ。しかし、体重増や他の合併症を避けるためには、不健康な食べ物をもっと食べるための言い訳として無カロリーの甘味料を使わないようにしなければならない。
また、最終的には、砂糖を完全に排除してしまう必要はないのだ。
「あまり満足できない砂糖分を使うと、結局は別のタイプが欲しくなったり、自分が食べたいタイプを食べた場合よりもっと多くの砂糖分が欲しくなったりしがちです」とアイユー。
「私はインテュイティブ・イーティングの分野で仕事をしていますが、最終的には、食べたいものを生活に取り入れる方が、あまりドカ食いしなくなるのです!」とのことだ。
Translation: Mitsuko Kanno From Good Housekeeping US
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