新型コロナウイルスの水際対策の緩和で増加が続く外国人旅行者についてです。
日本政府観光局が21日発表した日本を訪れた外国人旅行者の数は先月、観光客を含めた推計で93万4500人と、前の月よりも2倍近くに増加しました。
国内有数のスキーリゾート・ニセコエリアでは、多くの外国人旅行者が訪れにぎわいを取り戻しつつある一方で、新たな課題にも直面しています。
「パウダースノー」と呼ばれる良質な雪を求めて世界各地から多くのスキー客が訪れるニセコエリア。
この冬は、新型コロナの感染拡大前の2019年以来、3年ぶりににぎわいを取り戻しています。
ニセコ町にあるホテルでは、シンガポールやタイ、それに香港などからの観光客が回復していて、クリスマスシーズンから年末年始にかけては、およそ100ある客室がほぼ予約で埋まっているということです。
予約数はコロナ禍前の3年前を上回る水準だということで、業績の回復に期待を寄せています。
その一方で、働き手の確保という課題に直面しています。
海外から多くの従業員を採用してきたニセコエリアの宿泊施設などでは、冬の繁忙期を見据えて例年は夏から採用活動を開始しますが、新型コロナの感染状況が見通せないなかことしはそれが間に合わず、働き手の不足が深刻化しています。
このホテルでは、通常であれば6人雇用してきた料理人を2人しか確保できなかったため、ホテル内のレストランやルームサービスは週2日の休業日を設けざるを得ない状況になっています。
ホテル全体のスタッフの数も目標の4分の3ほどしか確保できておらず、満室での営業はギリギリの状態だということです。
働き手の確保に向けて、派遣スタッフの時給を100円ほど上げて採用活動を続けていますが、現在のところ応募はほとんどないということです。
こうした中、事業者を支援しようと地域も動き出しています。
ニセコエリアの倶知安町、ニセコ町、蘭越町の3つの自治体で作るニセコ観光圏協議会は、海外から働きに来る従業員に視聴してもらうための英語の研修動画を先月制作しました。
協議会によりますと、人手不足に悩む宿泊施設やスキー場、それに飲食店といったさまざま業種の事業者から、従業員を採用できたとしても研修のための十分な人や時間を割けないといった声が多くあったということです。
こうした声を受けて、協議会が事業者側の負担を少しでも減らそうと制作した研修用の動画には、▼飲食店やドラッグストアの場所のほか、▼雪道を運転する際の注意点、▼警察や消防への通報の方法といった生活に必要な情報などが盛り込まれています。
この動画は、従業員が日本に来る前にみずから視聴して事前の準備に役立ててもらおうと、ユーチューブで見られるようにしています。
ニセコ観光圏協議会の長井聡さんは「さまざまな業種で人が足りないのは大きな課題だが、いかにサービスの質を低下させないかが大事だ。同じ悩みに対して手を取って助け合い、この冬を乗り切っていきたい」と話しています。
からの記事と詳細 ( 外国人旅行者増加 ニセコエリアにぎわうも働き手の確保が課題 ... - nhk.or.jp )
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