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Thursday, July 30, 2020

ヒト社会の起源を、社会性を持つさまざまな生物の生態や進化の過程から解き明かす『ヒトの社会の起源は動物たちが知っている 「利他心」の進化論』が新発売 - PR TIMES


 本書の原題は『Genesis』、聖書の最初の書『創世記』と同タイトルです。聖書は、この世界とそこに暮らす私たち人類を含めた生物がどのようにして生まれたのかを説明する世界各地の神話や伝説を物語っています。一方、本書では、遺伝学的・生物学的視点から、この地球上に生命が誕生し、長い歳月をかけてより複雑な生物へと進化し、やがて社会や言語が発生するまでの進化の歩みを、以下の6つの段階に分けて迫ります。

1.生命の発生
2.複雑な(「真核」)細胞の登場
3.有機生殖の登場により、DNA交換と種の多様化の管理されたシステムが実現
4.多細胞生物の誕生
5.社会の発生
6.言語の発生

 進化の変遷において、著者のエドワード・O・ウィルソンが特に重視するのは、第5段階の「社会の発生」です。アリやヒトなど真社会性(動物の示す社会性のうち高度に分化が進んだもので、集団を繁殖カーストと不妊カーストに組織化する性質を指す)を備えた生物種が、その高度で複雑な社会によって生態系における圧倒的な優位性を獲得した背景を読み解いていきます。
 さらに、社会性を持つ生物が多く存在する一方で、真社会性を持つ種が進化史上、ほとんど存在してこなかったのはなぜか、生物が社会を作る条件としての利他主義や分業といった行動はいかなる要因によって生まれるのかといった疑問にも答えていきます。小著でありながら、大胆な風呂敷の広げ方と明快な語り口は、和書にはない魅力のひとつだと言えるでしょう。

 現下の状況、とりわけコロナ禍をめぐる状況のなかで、私たちの社会は一層分断が進み、人との関わり方もまた変容しつつあるように見えます。そのなかにおいて、長い歳月をかけて人類が培ってきた「社会」や「利他」について根源的に捉えなおす本書は、多くのヒントを与えてくれるかもしれません。

■著名人からの推薦コメント
「当代きっての文理統合の名手が、彼らしい明快にして簡潔かつ格調高い文体で、人間社会の起源を解き明かす」――リチャード・ローズ(作家、ジャーナリスト)

「ウィルソンは格調あるシンプルな言葉で、動物の多様性についての権威ある知識を、解決策は集団選択であるという明快な議論に純化していく。風変わりな社会を豊富に取り上げ、私たちを魅了してやまない問題への入門書として理想的」――リチャード・ランガム(霊長類学者、ハーバード大学生物人類学教授)

【著者】
エドワード・O・ウィルソン
世界有数の生物学者。ハーバード大学名誉教授および同大学自然史博物館名誉学芸員(昆虫学)。社会生物学と島嶼生物学の創始者として知られ、自然科学と人文科学を融合する3つの概念(バイオフィリア、生物多様性、コンシリエンス)をつくり上げた。2度のピューリッツァー賞の受賞をはじめ、アメリカ国家科学省、スウェーデン王立科学アカデミーが授与するクラフォード賞など、科学や文芸での受賞歴は100を超える。著書に『社会生物学』(新思索社)、『人間の本性について』(1979年ピューリッツァー賞一般ノンフィクション部門受賞、筑摩書房)、『人類はどこから来て、どこへ行くのか』(化学同人)、『ヒトはどこまで進化するのか』(亜紀書房)など多数。

■『ヒトの社会の起源は動物たちが知っている 「利他心」の進化論』構成

プロローグ
第1章 人類のルーツを探る
第2章 六段階の進化
第3章 進化をめぐるジレンマと謎
第4章 「社会」はいかに進化するのか
第5章 真社会性へと至る最終段階
第6章 利他主義と分業を生みだすもの
第7章 ヒトの社会性の起源
謝辞
日本語版解説 現代人の『創世記』 吉川浩満
訳者あとがき
参考文献

■商品情報


出版社:NHK出版
発売日:2020年7月30日
定価:1,540円(本体1,400円)
判型:B6変型判
ページ数:192ページ
ISBN:978-4-14-081825-1
URL:

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July 31, 2020 at 09:00AM
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