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Sunday, January 21, 2024

量子コンピューターの課題 「訂正」する画期的技術を開発 東大教授ら起業へ - 産経ニュース

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量子コンピューターの計算エラーを訂正する新技術について発表する東京大の古沢明教授(右)と、新しく設立する会社の最高技術責任者(CTO)となる予定のアサバナント・ワリット助教=2024年1月18日、東京都文京区の東京大(松田麻希撮影)

光を使った量子コンピューターの実現に向け、東京大の古沢明教授らのグループが9月にも会社を設立する方針であることを明らかにした。量子コンピューターで課題となっていた、計算エラーを訂正する画期的な技術を開発し、18日(日本時間19日)に米科学誌サイエンスに論文が掲載された。この成果により、必要な技術開発に目途が立ったため、起業するという。

量子コンピューターは、情報の基本単位となる「量子ビット」を使って、スーパーコンピューターより大規模で高速な計算ができると期待されているが、量子ビットは外乱に弱く計算エラーが発生しやすい。計算エラーを防ぐには、膨大な数の量子ビットを使って訂正する仕組みが必要とされ、機器が巨大になったり、量子ビットを制御するための配線が難しくなったりと、本格的な量子コンピューター実現の障壁となっている。

今回の研究では、数を増やすことなく訂正が可能な特殊な量子ビットを光で生成することに成功した。

古沢教授らが取り組む光を使う量子コンピューターは、室温で動作し、既存の光通信との親和性が高いといった長所がある。2019年に装置を大型化せずに大規模な計算をする手法を開発したほか、昨年にはそれまで難しかった「かけ算」に相当する計算操作を実証して、あらゆる計算を行うための要素技術をそろえた。今回の成果は、計算の過程でエラーを検知して取り除き、正しい計算結果が得られる「誤り耐性型量子コンピューター」の実現への大きな一歩となる。

古沢教授は9月をめどに起業し、「ユニコーン企業を目指す」と意気込む。まずは量子コンピューターを作るための技術の一部を活用して、「ニューラルネットワーク」を構築する。ニューラルネットワークは、人間の脳の神経網を模した数理モデルで、人工知能(AI)に欠かせない技術。

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