「光量子コンピューター」と呼ばれる次世代の計算機の主要部分で、高速計算の実現に重要な技術の開発に成功したと、東京大とNTTなどの研究チームが発表した。日本独自方式の量子コンピューターの実現につながる成果だという。成果を6日、米科学誌で発表した。
光量子コンピューターは、超伝導状態の物質などを利用する他の量子コンピューターと異なり、計算を担う素子「量子ビット」として光を使う。チームの方式では、「量子もつれ」という特殊な状態にある多数の光子(光の粒)を使い、〈1〉光子を生成〈2〉光子の信号を測定〈3〉測定結果に応じて別の光子を操作――という3つの過程を繰り返す。
これまで、〈1〉は6兆ヘルツ(毎秒6兆回)の高速で動くが、〈3〉が約2500万ヘルツにとどまり、全体の性能を下げていた。今回、測定器に入る光信号を、劣化させずに増幅する新装置を開発した結果、〈3〉を430億ヘルツに高速化することに成功したという。
〈2〉は現状、1億ヘルツ程度だが、チームは今後、次世代通信用の技術などを活用し、さらなる高速化を目指す。来年、実機をクラウドで公開する計画で、チームを率いる古澤明・東大教授は「他の方式の量子コンピューターは一部の計算以外、従来のコンピューターより遅いが、光方式は全て高速化できる」と見込んでいる。
量子コンピューターに詳しい川畑史郎・産業技術総合研究所副研究センター長の話「日本が技術的に優位な光方式で、大きな課題を世界に先駆けて克服した。NTTが光通信で培ってきた技術を生かし、開発を加速させている。先行する超伝導方式と勝負できる段階に近づいてきた」
からの記事と詳細 ( 日本独自方式の「光量子コンピューター」実現へ高速化技術、東大などのチームが開発 - 読売新聞オンライン )
https://ift.tt/GdwMEX7
No comments:
Post a Comment