川崎市名誉市民で東京理科大栄誉教授の藤嶋昭さん(81)が、館長を務める「光触媒ミュージアム」(高津区)で収集してきた図鑑や絵本など約六百冊を、交流があった絵本作家かこさとしさん(一九二六〜二〇一八年)ゆかりの幸区に寄贈した。赤坂慎一区長は「各種イベントなどで活用させていただく」と感謝した。
「だるまちゃんとてんぐちゃん」や「からすのパンやさん」など子どもたちに人気の絵本で知られるかこさんは、二十代のころから約二十年間、幸区古市場に居住。藤嶋さんとは、共に東京大学工学部応用化学科の卒業という縁もあって意気投合し、「家族ぐるみの付き合いだった」という。藤嶋さんが発見した光触媒の技術について解説した絵本「太陽と光しょくばいものがたり」(偕成社)を共同執筆もしている。
今月十日にあった寄贈式で藤嶋さんは、かこさんの作品について「どれも素晴らしい。特にピラミッドについて描かれた絵本は、重さが五トンもある石を約二百七十万個も、どうやって削り、運び、正確に積んだのかを緻密な取材で説明していて、読み応えがある」と絶賛した。
今回寄贈した絵本のうち約百七十冊はかこさんの本という。「万里の長城や奈良の大仏についての(かこさんの)本も、ぜひ読んでほしい。子どもたちが科学に興味を持つきっかけになるはず」と熱弁していた。(渡部穣)
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