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Sunday, March 27, 2022

校則 時代に合うか、人権への配慮は 広がる見直し さまざまな形 生徒の意見吸い上げ、地域・保護者交え議論 | 鹿児島のニュース - 南日本新聞

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校則の役割などについて討論するシンポジウム=鹿児島市の県労働者福祉会館

校則の役割などについて討論するシンポジウム=鹿児島市の県労働者福祉会館

 校則の見直しが広がっている。子どもの意見を吸い上げながら検討を進めたり、校則そのものについて保護者や地域を交えて語り合ったり、さまざまな形で「校則の在り方」を探る。

 鹿児島県南さつま市の加世田中学校は一昨年から、校則の抜本的な見直しに取り組む。時代に合っているか、人権に配慮しているか、抽象的で分かりにくくなっていないか-。竹崎賢一校長を中心に、防寒着や自転車ヘルメットの色などの自由化、性別に関係ない詰め襟・セーラー服の選択制-など、変更へのたたき台を作り生徒総会で提案した。

 生徒から「セーラーにズボンを合わせる組み合わせも認めて」との意見が出て、制服の組み合わせも自由にすることを決めた。生徒手帳に5ページ分あった規則は半減し、見直した校則は4月から運用予定。竹崎校長は「保護者や地域住民の意見も参考に絶えず見直しを続けていく」と話す。

 校則の見直し機運が高まる中、学校現場には、拙速な議論を懸念する意見もある。鹿児島市の50代中学校教諭は「地域の理解を得ながら進めないと、子どもが“ルールを守れない子”と見られる」と指摘。同市の50代女性教諭は「保護者がゲームの利用時間を校則で決めてと要望するなど、学校にルールを求める側面もある。家庭も含めてみんなで考えるべきだ」と訴える。

 「もっと先生と語り合いたい」。生徒からはそんな声も上がる。県教職員組合は昨年12月、中高生、保護者、教員らをパネリストに校則の在り方を討論した。

 鹿屋市の中学3年生の「生徒会で校則変更を申し立てたこともあったが、結局うやむやにされた。生徒も納得できるルール作りが必要ではないか」との意見に、教師らは「業務の多忙などを理由に大人が思考停止になっている面がある。子どもと協議する場を設けていきたい」と返した。

 討論後は参観者約60人を交えて意見交換。かつて中学生の娘が校則で管理されることが嫌で不登校になったという薩摩川内市の母親は「子どもは管理されることに慣れて大人を変えるという発想が薄い。校則変更の手順を明確にすれば生徒に主体性が生まれるのではないか」。高校生の父親は「大人はルールを守らせることに必死で、守れない子の理由や事情まで考えが及んでいない。一人一人に目を向けるべき」と話した。

 主催した同組合の藤元綾乃さん(46)は「校則見直しについて社会全体で考え、子どもと共に考える姿勢を大切にしていきたい」と力を込めた。

■校則 日本における校則の原型は、明治初期の1873年に文部省(当時)が制定した「小学生徒心得」とされる。校内暴力が社会問題化した1970~80年代には厳しい校則に基づく指導で生徒を管理する動きが拡大。校則に関する法的根拠はないが、判例では、学校が教育目的を達成するために必要かつ合理的な範囲内で制定でき、権限は校長にあるとされる。近年、児童生徒のプライバシーや人権侵害に当たるような校則が問題視され、文部科学省は昨年6月、都道府県教育委員会などに対し、社会や時代の変化に合わせて見直すよう求める通知を出した。

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