仙台市内の博物館や科学館など17館でつくる仙台・宮城ミュージアムアライアンス(SMMA)が、小冊子「ちまたのけんきゅうミュージアム」を刊行した。テーマは「あな」。動物の鼻の穴から文化財の紙資料の虫食いの穴、切符のパンチ穴まで、参加施設にまつわるさまざまな穴を写真とともに紹介している。
動物の鼻、縄文土器、パンチ穴…硬軟取り混ぜ
A5判、48ページ。形状を見つめる「穴のカタチ」、開いた理由や開けた方法を考える「この穴どうしてどうやって」、掘る側、開ける側に焦点を当てた「穴をあける者たち」の三つの切り口でまとめた。
動物の鼻の穴の形や働きに着目したり、穴を掘る動物の生態を紹介したり。仙台箪笥(たんす)の鍵穴、広瀬川の川底の今はなき橋脚の跡の穴など、参加施設の内外の多種多様な穴が登場する。縄文土器のつぼの底の穴など、開けられた理由が分からないものも取り上げた。
山形との県境にある仙山トンネル建設に従事し「トンネルの神様」と呼ばれた加納倹二や、市内の防空壕(ごう)などに関する5本のコラムも掲載。硬軟取り混ぜて穴を追求し、小学生から大人まで「へー」「なるほど」と思えるように仕上げた。
テーマは小冊子の内容を検討中に偶然、複数の施設から穴に関する話題が出たことから決めた。市内のデザイナーらが編集を担い、各施設の専門性に気軽に触れつつ、新たな関心を抱くきっかけにもなるような情報を選んだという。
「展示できない虫食いの資料から普段見えないミュージアムの仕事が垣間見えるなど、各施設の隠れたネタも結構ある」とSMMA事務局を担当するせんだいメディアテーク学芸員の小川直人さん(46)。「ミュージアムが持つ情報やコンテンツを楽しみ、活用のいろいろな切り口を見つけてほしい」と話す。
文化庁の助成金を活用して1万部製作。SMMA参加施設で無料配布している。連絡先はせんだいメディアテーク内の事務局022(713)4483。
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