2021年11月13日07時01分
光のパルスを操作して大規模な計算を高速で行う「光量子コンピューター」の実用化に欠かせない心臓部の回路の開発と動作実証に成功したと、東京大の武田俊太郎准教授らのチームが発表した。米科学誌サイエンス・アドバンシズ電子版に13日、論文が掲載される。
0か1の「ビット」で情報を扱う従来のコンピューターと異なり、0と1を重ね合わせた「量子ビット」を単位とする量子コンピューターは理論上、計算が飛躍的に速くなる。
これまでの光量子コンピューターは、単純な計算を行う回路を多数並べるため大規模化が難しく、異なる計算をする場合には回路自体を組み替える必要もあった。
武田准教授らは、光パルスを時間差で多数発生させ、一つの回路を周回させながら複数回の計算を行ったり、異なる計算をしたりする装置を開発。実証にも成功した。
武田准教授は「いろいろな計算が繰り返しできるようになったのは、大きな節目だ」と話した。 ![]()
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