テレQ(TVQ九州放送)
多くの地域に被害をもたらした先月の大雨。去年被害が大きかった大牟田市は今年どうだったのか特捜Qチームが調べました。 去年の7月6日から7日にかけて大牟田市を襲った大雨。24時間の雨量が448ミリと、大牟田市の7月の平年1カ月分を超える雨が降りました。三川ポンプ場は配電設備まで浸水し、機能が停止。その結果、市街地での浸水が拡大しました。しかし、今年8月中旬の大雨。大牟田市では去年のような浸水被害は確認されませんでした。 そこで9月6日の特捜Qチームは「去年より大雨被害が減った大牟田市一体なぜ?」 記者リポ: 去年の大雨ではボートでしか移動ができないくらいに浸水被害の大きかったエリアです。 今年の雨について住民にお話を伺いました。 住民: つかり方は全然違う。今年は全然つからなかったので雨に関しては大丈夫かなと思った 住民: 今年避難はしなかった。今年は水が上がらなかったから。 住民: やっぱり原因はポンプ。この間大雨降ったけどどうもなかったから。 去年1メートル以上床上浸水した事務所は 事務所の男性: 大牟田市が溝掃除をすることとポンプを多少なりとも足したことで安心はしていた。市民には去年の記憶が色濃く残ると同時に、今年は少し安心もしている様子です。市はこの1年間でどのような対策を重ねてきたのでしょうか。 大牟田市防災危機管理室 栗原敬幸 副室長: 浸水対策については昨年被害が大きかったみなと地区にある三川ポンプ場の増強それから水路の拡張、側溝や川などの浚渫(土砂の掃除)を重点的にやってきた。 市民も気にしていたポンプ場の対策。訪ねると・・・ 大牟田市企業局 河野正法 局長代理: ポンプを2台増強した。1台が毎分25トン、2台で毎分50トンの増強をしました。今年5月、市はポンプを2基増やし、排水能力を増強。また、浸水を防ぐため、ポンプ場の周囲をブロック塀で囲み、電気設備も地上1.3メートルの高さにかさ上げしました。 市は今年の被害が少なかった大きな理由をこう分析しています。 防災危機管理室 栗原敬幸 副室長: 降り方が基本的に違っていた。やっぱり浸水の影響というのは短時間に降ったことでの影響だと思う。 今回降った雨は9日間で1049ミリと記録的なものでした。しかし去年は、1日だけでその半分近く448ミリの雨が大牟田市を襲いました。去年のほうが短時間で集中的に降ったことが被害につながったと考えられています。去年の経験を踏まえ市では今年災害対策を担う部署の人員を倍増。 防災危機管理室 栗原敬幸 副室長: 人員が増えたことによって指示する担当者が増えてきましたので業務の滞りがだいぶ少なくなったのが大きなポイント。 また、対策本部では気象情報や被害状況を大型モニターに映し、常時可視化。 防災危機管理室 栗原敬幸 副室長: 今までは一人二人でしか監視ができていなかったのがこの画面を通じて誰もが気付けるようになった。見落としが減った 情報は市民への避難情報にも生かされています。 防災危機管理室 栗原敬幸 副室長: 濃い紫のメッシュが一番危ない区域になるが、それに対してこれは校区の境目が載っているので、避難情報を出す対象地域がこれですぐ分かる 情報の収集と発信の両方に注力しています。 防災危機管理室 栗原敬幸 副室長: 消防団から送ってくる画像を速やかに市民にも公開して地図情報に乗せた状態でホームページにも出した 災害現場で消防隊員や市の職員が現場の写真を投稿すると、対策本部が確認できるほか、ホームページにも掲載され、市民も被害状況を確認できる仕組みです。教訓を踏まえた対策を講じる一方、課題も残っていて、対策は道半ばだと話します。 防災危機管理室 栗原敬幸 副室長: 市民の方々が、今回避難が少なかったという現状がある。去年の雨の対応と比べると改善した部分もあるがまだまだ完全に終わったわけではないので大きな災害が発生しても対応できるようにしていきたい 木戸優雅アナウンサー: 去年の経験を踏まえ、ハード・ソフト両面、かなり力を入れて強化 日本経済新聞社 堤編集部長: 去年は久留米と並ぶ2大被災地。他の自治体も学べる取り組み 木戸: 今年から導入した「リアルタイム防災情報」は、今の被害状況をホームページに載せて自治体も市民もリアルタイムで把握できる。水害以外にも生かせるのでは? 堤編集部長: これから台風シーズン。そのときにも使える。ただ、パソコンやスマホが使えない世代にどう触り方、見方を教えるか。その障壁をどうなくすか。そこをクリアすればさらに安全安心な街になる。もっと効果を発揮するのでは。押せば動くアプリも良い。 木戸: もっと広い視野で国も含めた抜本的な治水対策も急がれる。 中嶋空アナウンサー: それではまとめます。去年より大雨被害が減った大牟田市。一体なぜ?の答えは、「去年の方が短時間の豪雨だった。しかし排水ポンプの増強や情報を集め発信するシステムが機能した」です。災害相手に完全な明確なゴールがない中、改善を重ねています。
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