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Friday, February 12, 2021

森会長辞任にさまざまな声|NHK 首都圏のニュース - NHK NEWS WEB

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東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森会長の辞任をめぐって、東京パラリンピックの代表に内定している陸上女子走り幅跳びの中西麻耶選手(35)がオンラインで取材に応じ、「日本社会は、女性も障害者も社会に出て行きづらい状況にある。あってはならない発言だったとは思うが、森会長が辞任すれば済む問題ではなく、もっともっと深い問題だ」と指摘しました。
そして、「さまざまな区別がこの国に根づいていることは事実で、東京オリンピック・パラリンピックは、『日本はそうじゃない』と否定して見せる場ではなく、現状を変えるためのいいきっかけなのではないかと思う。本当に変わらなければならないと改めて感じたし、女性や障害者の中にこの国を引っ張っていける人材が十分に育っているかと言えば、残念ながらそうなっていない。当事者がやるべきこと、それに関わる人が受け入れるべきことも明るみに出たと思うので、今回の件が国民1人1人が尊重され、社会の中で調和をとれる国になるため、海外からの厳しい意見も聞きながら、よりよい日本になっていくきっかけになればいいと思う」と話しました。
そのうえで東京大会に向けて、「多様性を体現できるのは選手なので、障害があろうと、女性だろうと、いろんな困難に打ち勝って頂点を目指す姿を見せて、困難を乗り越える活力にしてほしい。日本選手の活躍を見て喜んでもらい、やってよかったなと思ってもらえる瞬間を1秒だけでいいからみなさんと過ごしたいので、東京パラリンピックで大活躍したい」と話しました。

聖火ランナーを務めるハンセン病の元患者の男性は「森会長が辞めることは当然だが、辞めていく人が後任を打診したことは間違っていると思う。今回の問題をきっかけに改めて差別とは何なのかを考えてほしい」などと述べました。
ハンセン病の元患者の平沢保治さん(93)は13歳の時に発症し、東京・東村山市のハンセン病の療養施設で80年近く暮らしています。
前回の東京オリンピックでは、当時の法律でハンセン病の患者は競技会場に入ることが許されず、こうした経験から今回の大会では“差別のない社会の実現”を訴えるため、みずからが走る姿を多くの人に見てもらいたいと、聖火リレーのランナーとして走ることを決めました。
こうしたなか森会長の発言について、平沢さんは「怒りを通り越して大変悲しく、聖火ランナーを辞退することも考えた。しかし、ハンセン病の回復者として差別をなくすために走りたいという強い思いもあり、どうするか悩んでいます」などと揺れ動く思いを明かしました。
さらに、森会長が辞任の考えを表明したことについて尋ねると語気を強めて、「辞めることは当然だが、辞めていく人が後任を打診したことは間違っていると思う。みんなが希望を持てるような民主的な形で後任を選んでもらいたい」と話していました。
そのうえで、「オリンピックは、融和と団結、平等で誰もが拍手を送れるスポーツの祭典でなくてはならないと思う。今回の問題をきっかけに一度立ち止まって多くの人に差別とは何なのかを考えてほしいです」と話していました。

セーリングや野球、サッカーなどの競技が開かれる神奈川県の黒岩知事は「日本のスポーツ界を代表する森会長が、このような形で身をひく事になったのは、非常に残念だ。しかし、今回の女性蔑視とも取れるような発言は問題だったと言わざるを得ない」と述べました。
そして、後任の会長については、組織委員会がふさわしい人を選ぶのを待つとしたうえで「オリンピック・パラリンピックをやめた方がいいという人もいる中で、今回の会長交代は影響があるが、原点に立ち戻って、安心安全な大会の実現にむけて準備を進めていきたい」と話していました。

5つの競技が行われる予定の埼玉県では、大野知事が記者会見で、「開催となったときに会長は大会の理念、スローガンを胸にもって説明できる人であるべきだ。ここにそぐわないのであれば辞任すべきだろうし、私としては辞任するしないよりも、日本を代表して理念を世界に出すのにふさわしい方に会長であって欲しい。本人の判断ではあると思うが、辞任は致し方がないと思う」と述べました。
県によりますと、森会長の発言を受けて、埼玉県が募集した都市ボランティア16人が辞退を申し出ているということで、大野知事は「一緒に成功に導けるように、ボランティアをお願いしたい。いろんな思いがあると思うがオリンピックの理念をみんなで実現したい」と述べました。

東京都以外では最も多い8つの競技が開催される予定の千葉県では、森田知事が記者団に対し、「森会長が千葉県に8つの競技を誘致してくださり、がんばって大会を成功させてほしいと思っていたが、今回のことで辞任するというのはご自分でお決めになったことだと思う」と述べました。
また森会長の後任として当初、会長を引き受ける意向を示していた川淵三郎氏が一転して断る考えを示したことについては「え、辞退したの。辞退なさっちゃったんだ」と驚いた様子で、後任の人事については「私たちに見えないところや政治的なものもある。いろいろなかけひきのできる人じゃないと非常に難しいのではないだろうか」と述べました。
県によりますと千葉県内では森会長の発言を受けて10日時点で12人の都市ボランティアが辞退しているということで森田知事は「残念です、大変残念です。あと半年なので、一致団結してがんばるしかない」と述べました。

森会長が、後任への就任を川淵三郎氏に要請し、一時は川淵氏が引き受ける意向を示していたことについて、東京・渋谷では疑問の声が相次いでいました。
スポーツの普及について研究しているという23歳の大学院生の女性は「森会長は会見のやりとりを見ていても、自分の考えがすごく強い人だと感じるので、その考えを継いでくれる人を選びがちではないかと思ってしまう。それでは本質は何も変わらないと思うので、40代や50代など、女性が社会進出するようになってからの時代に理解がある人のほうがふさわしいと思います」と話していました。
東京大会の「都市ボランティア」に登録しているという看護師の66歳の女性は「複数の候補の中から誰かを選ぶならわかるが、完全に裏でやっているのがおかしいと思うし、森会長がどうして川淵氏を推したのかもわからない。森会長が退かずに後ろから指示を続ける体制になれば、彼のカラーが残り続けるわけで絶対におかしい。このコロナの時代で、国民ひとりひとりがオリンピックを盛り上げていく気持ちが持てないと、開催は難しいのではないか」と話していました。
会社員の65歳の男性は「川淵氏はサッカーでも有名で、スポーツの分野においてはほかにいない気がするが過程が不透明だった。政府や大会関係者はどう思っているのか、疑問符がつく。一方で、オリンピックの開催そのものが危ぶまれている状況なので、時間もない。トップが代わっても今までのことが無かったことにはならず、しこりは残ると思うので、オリンピック開催への理解を得られるように、新たな形で発信して行ってほしいと思う」と話していました。

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