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Wednesday, January 20, 2021

「確かな方から下記の情報が…」緊急事態宣言“デマ”、猛拡散の理由 - withnews

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ここで、当時の状況を整理してみます。3月25日夜、小池都知事は緊急記者会見で「感染爆発 重大局面」と印字されたボードを掲げ、「何もしないでこのままの推移が続けば、ロックダウンを招く」と語気を強めました。23日の緊急記者会見で「都市の封鎖、いわゆる『ロックダウン』など強力な措置を取らざるを得ない状況が出てくる」として「ロックダウン」という言葉を使った2日後のこと。東京都民に対して、夜間や週末の「不要不急」の外出自粛などを要請したのはこのときでした。

同時に危機感を募らせていたのが日本医師会です。横倉義武会長(当時)は3月30日、緊急記者会見を開催し「今後、いつ緊急事態宣言が発令されてもおかしくない状況の中、国民のみなさまには、感染拡大防止のために気を引き締めてより一層の対策をお願いしたい」と述べました。さらに4月1日には「『緊急事態宣言』の発令に先立って医療現場から『医療危機的状況宣言』を行う」としました。

災害などにおける流言(根拠のないウワサ)の先行研究(「北海道胆振東部地震」と流言の拡散 - 『放送研究と調査』)では、SNS上の流言は「○○に備えた方がいいかも」のように注意を呼びかけるものが、次第に「○○が起きるらしい」のように推定へと変わり、さらに「△△(時間)から□□(場所)で○○が起きる」のように情報が勝手に追加されて断定へと変わることが指摘されています。

「4月1日緊急事態宣言」も、東京都や日本医師会についての報道を背景に、「緊急事態宣言に備えた方がいいかも」という注意の呼びかけが、「緊急事態宣言が出されるらしい」「4月1日に緊急事態宣言が出される」に変わったものと考えられます。

そして、このような流言の拡散をさせる人間の心理について、前述したSpectee代表の村上建治郎さんは、withnewsの取材に「不安感」「優越感」「正義感」の3つの要因があると説明します。

まず、不安感については、情報を拡散することで不安を共有したい、もしくは誰かと共有して安心したいという心理。そして優越感については、注目されたいという心理。最後に正義感については、「この情報はみんなに教えてあげた方がいい」という善意の心理です。実際に流布された情報には、「そうは(4月1日緊急事態宣言には)ならないかもしれないが、用心しておくに越したことはない」と付け加えられているものもありました。

心理学者のG.W.オルポートさんとL.ポストマンさんが提唱する「流言の公式」では、R=I×Aとして、「流言が拡散する量(R:Rumor)は、それに関係する各個人にとっての問題の重要性(I: Importance)と、その論点に関する証拠のあいまいさ(A: Ambiguity)の積に比例する」としました。

緊急事態宣言の情報では、国民全員の生活が制限されるためにIが極めて高く、またさまざまな立場の人の思惑が複雑に絡み合って情報が発信されるがゆえにAも極めて高く、結果としてRが膨大になって猛拡散されたと分析できます。

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