- Q
- 最近、「正反対」の意味で「真逆」ということばを使っている人が多いが、「真逆」は若者ことばではないのだろうか?
- A
- 「真逆」は、いわゆる若者ことばとは言えないほど日常会話では広く使われていますが、比較的最近広まったことばであるため、受け止め方に年代差があります。このため放送では、必要に応じて「正反対」や「全く逆」と言いかえるなど、注意しながら使う必要があるでしょう。
<解説>
「真逆」は、「逆」であることを強調したことばです。ここで使われているような「真(ま)」は、名詞や形容詞、形容動詞などの前に付き、「完全な」「正確な」「全くの」といった意味を持ちます。「真(ま)」が付くことばは多く、真横、真北、真冬、真っ黒、真新しいなど、方向や方角、季節、形、色などさまざまなことばに付きます。
こうして見ると、「逆」に「真」がついた、「真逆」ということばが昔からあってもおかしくはないようにも思えますが、『三省堂国語辞典』(第8版)に「2000年以降に広まったことば」とあるなど、比較的最近広まったことばとされています。「真逆」ということばが最近まで使われてこなかった理由はわかりませんが、「真(ま)」が訓読み、「逆(ぎゃく)」が音読みで読み方が違うこと、「逆」には「さか」の訓読みもあり「真逆」は「まさか」とも読めてしまうこと、「正反対」ということばがすでにあったことなどが影響しているのかもしれません。
この「真逆(まぎゃく)」ということばは、どの程度浸透しているのでしょうか。次の文について、NHKで全国調査を行いました。
- あなたと私の考えは正反対だ。
- あなたと私の考えは真逆(まぎゃく)だ。
[調査結果]
調査時期 2023年2月3日~13日
調査対象 全国満20歳以上の男女4000人
抽出方法 層化副次(三段)無作為抽出法
調査方法 調査員による個別面接聴取法
回収率 29.3%(1170人が回答)
調査の結果、全体では「正反対も真逆もおかしくない」と答えた人が62%、「真逆の言い方はおかしい(正反対はおかしくない)」と答えた人が28%でした。
これを年代別で見てみると、「真逆はおかしい(正反対はおかしくない)」と答えた人は20代では10%と割合が低かったのに対して、60代では31%、70歳以上では47%に上り、年齢が高い人のほうが「真逆はおかしい」と感じる割合が高いという傾向が見られました。
「真逆」は、急速に浸透しつつあることばですが、まだこのことばに違和感を持つ人もいます。このまま「真逆」が定着するのか、ひょっとしたら「真逆」に代わるような「真(しん)」のことばが出てくるのか、注意して見ていきたいと思います。
からの記事と詳細 ( 「真逆(まぎゃく)」は若者ことば? - nhk.or.jp )
https://ift.tt/KOivaQN
No comments:
Post a Comment