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Wednesday, April 5, 2023

国産量子計算機 世界的競争に加わる第一歩だ(2023年4月5日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース

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 スーパーコンピューターの能力をはるかに超える量子コンピューターの開発が、世界で本格化している。日本も世界と競い合うための技術力を蓄積することが重要だ。

 理化学研究所(理研)の国産量子コンピューターが稼働した。米IBMが日本に量子コンピューターを設置した例はあるが、国産機の稼働は今回が初めてだ。先行する米国や中国を追いかける日本勢にとって大きな一歩である。

 量子コンピューターはミクロな世界で働く量子力学を利用しており、計算速度が桁違いに速い。

 産業界はこれまで、新薬や新素材の候補となる物質を探すため、スーパーコンピューターを利用してきた。量子コンピューターが実用化されれば、こうした研究開発が加速すると期待される。

 将来は、金融や物流といった幅広い分野にも利用が広がり、社会や産業を変える革新的な技術となる可能性がありそうだ。

 量子技術を使えば、第三者が盗み見ることが不可能な暗号通信も実現できるという。各国が国産技術の開発に注力するのは、こうした安全保障上の理由もある。

 今回の国産機は、理研や富士通などが開発した。大阪大やNTTなどが協力し、外部の研究者らもインターネットを介して活用できる仕組みを整備した。

 米グーグルなどは、巨費を投じて人材を囲い込み、急速に開発を進めている。こうした動きに対抗するには、司令塔となる理研の下、研究機関や大学、産業界の力を結集しなければなるまい。

 ただ、量子コンピューターの技術はまだ黎明れいめい期にある。理研も今回の方式と並行して複数のタイプの研究を進めており、今後、どれが本命となるかはわからない。

 計算を担う中核の素子「量子ビット」自体の製作のほか、ソフトウェア開発や情報を取り出すための配線方法など、様々な技術やノウハウを蓄積する必要がある。

 まずは国産機を様々な研究者に利用してもらって課題を洗い出し、改良に努めてほしい。

 量子ビットの初期の研究は、日本のメーカーが先行していたが、資金難もあって先細った。一方、米中は大規模な投資に乗り出し、日本の先を行っている。

 量子コンピューターの実用化には100万ビットが必要とされるが、国産機の性能は現在、64ビットにすぎない。開発レースは長期に及ぶ見通しだ。強固な研究開発体制を構築し、日本が世界をリードしてもらいたい。

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