エムエスアイコンピュータージャパン（MSI）から登場した「Prestige 13 Evo A12M シリーズ」は、日本市場での本格展開を視野に入れた13.3型のビジネスモバイルPCだ。約990gで約16.9mmの薄型軽量ボディーに、第12世代Coreプロセッサの中でも高性能なPシリーズのCPUを搭載し、最長23時間15分のロングバッテリーを実現するなど、意欲的な仕様となっている。
台湾拠点のグローバルブランドであるMSIが、日本市場にフォーカス開発した意図は何か、MSIが作るビジネスPCの強みはどこにあるのか。日本におけるプロダクト責任者である新井雅俊氏と、グローバルのプロダクトマネージャーであるウィニー・ワン（Winni Wang）氏に話を聞いた。
エムエスアイコンピュータージャパン（MSI）の「Prestige 13 Evo A12M シリーズ」は、同社初となる1kg切りを実現した、薄型軽量の13.3型ビジネスモバイルPCだ。「日本のビジネスパーソンのために開発した」という意欲作でもある。写真はステラグレイカラーだ国内カスタマーのフィードバックを反映し日本向けに金型から新規設計
―― Prestige 13 Evoは、日本国内のビジネスユーザーのために開発されたということですが、その開発経緯を教えてください。
新井氏 当社は、以前からビジネス向けのPCとしてPrestigeシリーズ、Modernシリーズ、Summitシリーズを展開しておりますが、法人営業でお客さまへご案内をさせていただいてきた中で「1kgを切る重量の製品が欲しい」という声を多く挙がっていました。
他にも、バッテリー駆動時間やキーボードなどについてもご要望やご指摘をいただいてきた経緯がある中で「日本のお客さまからいただいたフィードバックを反映させたビジネスPCを作れないだろうか」ということで開発が始まった製品です。1kg以下の重量が絶対条件ですので、ボディー素材の選定はもちろん、金型も新規に起こして開発した製品になります。
―― 日本向けにカスタマイズというレベルではなく、初期設計の段階から日本市場に最適化した製品ということですね。台湾に本拠がある御社が、日本市場向けにそこまでするというのはハードルが高かったのではないですか？
新井氏 何の裏付けもない状態でできることではありませんが、長年、日本国内で営業活動を続けてきた経緯もあり、そこでお客さまからいただいたフィードバックを裏付けとして本社と掛け合ったことで、実現にこぎつけることができました。当社は中国に自社工場を所有しており、企画／開発／製造／検査まで一貫して生産できる体制が整っているからこそ、できることでもあります。
日本におけるプロダクト責任者を務めたエムエスアイコンピュータージャパン ノートPCマーケティング部 プロダクトマーケティング課 Product Team Manager 課長の新井雅俊氏
台湾本社でプロダクトマネージャーを務めるウィニー・ワン（Winni Wang）氏1kg未満は絶対条件 バッテリー駆動やユーザビリティーにもこだわる
―― ボディーの重量が「1kg未満」とのことですが、開発に当たってのテーマを教えてください。
新井氏 お客さまのフィードバックが多かった内容がそのまま本機のテーマになっています。1kgを切る超軽量で約16.9mmという超薄型ボディーに、20時間以上動作するロングバッテリー、日本語入力に最適化した配列のキーボード、Webカメラのプライバシーシャッターの搭載などがあります。こういった細かいニーズまで反映した製品を作りたいという思いがありました。
MSI渾身（こんしん）の“日本向け”ビジネスモバイルPCが「Prestige 13 Evo A12M シリーズ」で、素材の選定、金型から新規に起こして開発したという意欲作だ。こちらはマットホワイトカラーとなる。実測の重量は970.5gと公称値を下回っているマグネシウムボディーはデザインも洗練され落ち着いたカラーを採用
―― 重量が約990g、厚みは約16.9mmとスリムで軽いですが、ボディーの材質は何でしょうか？
新井氏 薄型化と軽量化を目指しながら頑丈さも確保するため、ボディー素材にマグネシウム合金を採用しました。液晶ディスプレイ天面のカバー、キーボードベゼル、ボトムカバーの3面に利用しています。頑丈さについては、高温／低温環境、耐衝撃など、米軍調達基準であるMIL-STD-810G（8項目）準拠のテストを開発段階でクリアしています。
―― ボディーはデザインや質感も印象的です。デザインに関するこだわりや、アピールポイントがあれば教えてください。
新井氏 ビジネスシーンにフィットするように、凹凸の少ないデザインとMSIのロゴのカラーなども含めて、あまり主張しすぎないことを意識しました。触るたびに指紋が気になったりすると煩わしいので、表面には指紋が付きにくい加工をしています。
―― カラーはホワイトもありますね。
ウィニー氏 はい。女性の方、若い方を意識して、今回はステラグレイの他にマットホワイトも用意しました。ホワイトが欲しいというご要望は以前からいただいていましたが、ビジネスPCとしてはブラック系も必要だということで、今回は両方作ろうということになりました。ホワイトの色味、質感も試行錯誤しながらこだわって作りました。
スリムなボディーが際立つ。ボディーサイズは約299（幅）×210（奥行き）×16.9（厚さ）mmとカバンにも入れやすいサイズ感にまとまっている
液晶ディスプレイ天面などには指紋防止コーティングが施されており、手に持った際の印象も良い
MSIロゴのデザインやカラーについても、「主張しすぎない」ことを意識したという
女性や若いビジネスパーソンへの訴求を狙ったマットホワイトは落ち着いたカラーで、ロゴもステラグレイと異なりゴールド仕上げになっているからの記事と詳細 ( 日本のビジネスパーソンをロックオン！ 1kg切りの13.3型スタミナモバイルPC「Prestige 13 Evo A12M シリーズ」はどこがスゴイ？ プロダクト責任者に聞いて分かったこと（1/3 ページ） - ITmedia PC USER - ITmedia PC USER )
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