「コンピューターが自ら何かを感じ取れるようになる」。「モノのインターネット(IoT)」とは何か。この言葉を作った英国の技術者、ケビン・アシュトンさんの解説である。さまざまな機器がネットにつながれば、人がキーボードで打ち込む数億倍の情報が自動で集約される▲アシュトンさんは全地球測位システム(GPS)を例に挙げる。2000年代に携帯電話に搭載され、あっという間に普及した。便利なだけでなく、ビッグデータが集められ、人工知能(AI)を使った自動運転の実用化に活用されている▲総務省によると、世界のIoT機器は20年に250億台を超えた。半導体不足で伸びが減速しているものの、右肩上がりの成長が止まる気配はない▲普及を実感したのがKDDI(au)の通信障害である。気象観測データの収集や路線バスの運行状況確認、キャッシュレスサービス。通話やメールだけでなく、モバイル回線が使われる生活インフラにも影響が出た▲IoT、AI、ビッグデータを活用した「第4次産業革命」の時代。企業も「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に動くが、ひとたび通信がダウンすれば、社会全体がマヒしかねない▲高速大容量の次世代通信規格「5G」が普及すれば、さらに生活インフラのIoT化が進む。といってコンピューターに危機管理を任せるわけにもいくまい。通信大手の責任は重い。障害が全国規模に拡大した原因を究明し、再発防止に全力を挙げてもらいたい。
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