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Monday, June 6, 2022

量子コンピューティング技術をビジネスに活用する方法 古典とのハイブリッド型アプローチを採用する | HBR.org翻訳マネジメント記事(1/3) - DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー

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Jorg Greuel/Getty Images

量子技術は社会に革命をもたらすと言われている。商業利用可能な量子コンピュータの開発には時間を要するだろうが、この技術が破壊的変化を引き起こす前に企業は何をすべきか。筆者らが、量子コンピューティングに投資するインフォシスの取り組みについて調査した結果、同社は古典コンピュータと量子コンピュータを融合させたハイブリッドなアプローチを採用することで、顧客にサービスを提供し、将来に向けた足場を固めていることがわかった。


 科学者は数十年にわたり、量子コンピューティング――2進数の信号ではなく、確率を用いる新しい計算手法――の可能性について、理論化を進めてきた。近年、民間・公共の両セクターで量子コンピュータ開発への投資は飛躍的に増えており、ある報告では2021年だけで8億ドルを超えると推定されている。

 ゲノム配列の決定、輸送経路の最適化、暗号の解読、新素材の開発など、あらゆるものに量子技術は革命をもたらしうる。しかし、量子コンピュータは研究室に存在しても、商業利用できる汎用量子コンピュータはまだ存在しない。量子技術が実際に、メインストリーム市場に登場する前に、企業はその技術がもたらす可能性のある破壊的変化にどう対応すればよいのだろうか。

 この問題を検討するうえで、主要な技術変遷の歴史を振り返り、各事例に目を向けることは役に立つ。アナログ写真からデジタル写真、あるいは内燃機関から電気エンジンへの移行などに目を向けるのだ。

 これらのケースの多くで、企業は新技術を取り込むためにハイブリッド型のアプローチを活用した。新技術へといっきに切り替えようとはせず、新旧の技術要素を組み合わせた製品を開発したのだ。

 一例として、トヨタ自動車はハイブリッド車プリウスの開発において、従来型のガスエンジンの知識基盤を活用しながら、電気自動車の製造について学ぶことができた。この初期のハイブリッドモデルを発売後、プラグインハイブリッド車、そして燃料電池車へと進み、その数年後に実現する電気自動車の発売に向けて地固めを進めていった。

 では、量子コンピューティングの場合、同様のハイブリッド型アプローチをどのように展開できるだろうか。

 量子コンピューティングに相当な投資を行う企業の一つに、インフォシスがある。その取り組みをより深く知るために、筆者らは、同社の複数の研究者とビジネスリーダーに接触した。

 インフォシスは既存の量子イノベーションの商用化に着手するため、および量子コンピューティングの未来への架け橋を築くために、2つのハイブリッド型アプローチを試していることが、一連のインデプスインタビューで判明した。

・量子インスパイアード・アルゴリズム:古典コンピュータでも稼働できるアルゴリズムだが、そのロジックはさまざまな量子現象の模倣に基づく(2進法による決定論的な従来の計算方法とは対照的)。

・ハイブリッドモデル:古典コンピュータと量子コンピュータの連携を可能にするモデル。

 インフォシスは、自社単独の取り組みとスタートアップと提携した取り組みの両方を通じて、これらのアプローチをさまざまな分野で活用している。

 以下では、同社が投資を始めた量子コンピューティングの3つの主な用途について述べる。最適化問題では量子インスパイアード・アルゴリズムの可能性を追求し、機械学習とサイバーセキュリティのソリューションではハイブリッドモデルの活用に着手している。

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