2022年06月07日 06時55分更新
東京工業大学と東北大学の共同研究チームは、がんバイオマーカーであるマイクロRNA(miRNA)の特定の組み合わせを入力として認識し、DNA液滴の分裂によって論理演算結果を出力できる「DNA液滴コンピューター」を開発した。がん診断、薬剤耐性解析、薬物送達などへの応用のほか、人工細胞や自律型分子ロボットの構築などへの貢献が期待される。
東京工業大学と東北大学の共同研究チームは、がんバイオマーカーであるマイクロRNA(miRNA)の特定の組み合わせを入力として認識し、DNA液滴の分裂によって論理演算結果を出力できる「DNA液滴コンピューター」を開発した。がん診断、薬剤耐性解析、薬物送達などへの応用のほか、人工細胞や自律型分子ロボットの構築などへの貢献が期待される。 細胞内では、様々な生体分子液滴が形成され、生命現象を制御しており、近年、これらの液滴が細胞内の小器官などの形成、環境センサーとしての役割、細胞ストレスへの応答などに寄与することが明らかになっている。研究チームは、DNA液滴の塩基配列を工夫することで、バイオセンシング機能に併せてコンピューターのような論理演算機能を持たせることが可能と考え、「がんと診断されない場合には液滴が保持され、がんと診断される場合には液滴が崩壊・分裂する」機能の実現を目指し、液滴をつくるDNA分子(Yモチーフ)の設計・作製・応用に取り組んだ。 正確ながん診断のためには、複数のmiRNAの有無やその組み合わせパターンを感知することが求められるため、研究チームは、異なる特性を持つ複数のYモチーフを作り、組み合わせることを検討。がんバイオマーカーであるmiRNAの検出が可能なシステムである「DNA液滴コンピューター」を構築することに成功し、乳がんの可能性を示すmiRNAの組み合わせを認識できることを実証した。 研究成果は科学雑誌、アドアンスト・ファンクショナル・マテリアルズ(Advanced Functional Materials)のオンライン版で2022年5月12日に公開された。(中條)
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