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Friday, June 17, 2022

余録:相撲の番付に見立ててさまざまな事柄の序列を… - 毎日新聞

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 相撲の番付(ばんづけ)に見立ててさまざまな事柄の序列を載せた一覧表は「見立(みたて)番付」と呼ばれる。江戸時代後期から始まり、文化・文政期に普及した。とりわけ江戸の料理茶屋の番付作りは流行し、すしやかば焼きなど、さまざまな店のグルメ番付が発行された(「番付で読む江戸時代」、柏書房刊)▲時を経て、いまなお盛んな飲食店の評価付けに関する判決が注目を浴びた。インターネットの「食べログ」で不当にチェーン店の評価点を下げられたとして飲食店側が運営会社に損害賠償を求めた訴訟である▲評価点はアルゴリズムと呼ばれる方式で算出するが、その変更が減点につながっていた。東京地裁は評価点を付けた運営会社に3840万円の賠償を命じた▲一方的な減点は「優越的地位の乱用」にあたり、独占禁止法に違反すると判決は指摘した。「格付け」が経営に与える影響と、付ける側の優位を認めた踏み込んだ判断と言える▲改めて浮き彫りになったのは、大手サイトの格付けが威光を放ち続けていることだ。店側は、評価ダウンで食べログ経由の月間平均来客数が6000人以上落ち込んだと主張する。ひところに比べ影響力は低下したとの見方もあるが、情報が洪水のようにある中、指標として格付けを活用する人はやはり多いようだ▲目にするネット情報には序列やランキングがあふれる日常である。自分の頭や目を使わず、アルゴリズムについつい身を委ねていないか。そんな注意書きも添えたい、ネット時代の見立番付だ。

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