コロナ禍によるビジネス環境の変化や消費行動のオンラインシフトに対応するため、企業はまさに生存競争としてのDXを推進している。しかしその一方で、国内ではこの“ゲームチェンジ”に適応できる企業とそうでない企業の二極化も進んでいる。
特に多くの中小企業にとっては、ITツールを駆使した業務効率化すらハードルが高く、本質的なDXは夢のまた夢といっていい状況にある。そんな悩める中小企業を支援してきたのがマウスコンピューターだ。国産のPCメーカーとして、長きにわたって日本の中小企業をPCからサポートしてきた。コロナ禍で中小企業が直面する課題や、マウスコンピューターの歩みについて、マウスコンピューター第一営業本部本部長の金子覚氏に話を聞いた。
アフターコロナで変わるPCニーズ
マウスコンピューターは2011年に法人ビジネスの強化のため専用ブランド「MousePro」を立ち上げた。新技術をいち早く採用することでコアなユーザーから支持されてきたコンシューマー向け製品とは別に、ビジネス利用を前提とした手厚いサポートや部材の長期供給などに強みを持つブランドだ。法人向けブランドが立ち上がったことで、既存の個人向け製品と法人向け製品の2本柱で国内展開を進めることとなった。
金子氏は「それ以前も法人ビジネスは行ってきましたが、改めて品質をとことん追求し、中堅中小企業のお客さまにとっての『仕立て屋』のような製品提供を目指した」とこだわりを明かす。
そのきっかけとなったのが、自社のビジネスが成長していく上で避けては通れなかった品質に対する高い要求だったという。
「2011年当時のマウスは、コストパフォーマンスの高さで競合優位性はあったものの、“安かろう悪かろう”のイメージを完全には払拭できずにいました。そこでMouseProでは、採算性よりもまずは徹底的に品質にこだわり、通常の製造ラインでは過剰ともいえる品質チェックや部材の選別を行っていました。このノウハウは後の個人向け製品にも生かされています。そして2014年、Windows XPのサポートが終了するタイミングで大々的にキャンペーンを実施し、買い替え需要の波に乗って拡販できたことがMouseProを知っていただく最初のターニングポイントになったと考えています」(金子氏)
国内生産に加えて、充実した国内サポート体制も強みだ。企業のニーズに合わせた特別構成のPCを作れる「OEMサービス」、修理や回収時に機密性の高いデータの入ったストレージを手元に保管できる「SSD/HDD返却不要サービス」など、法人ならではのニーズに応えるサービスを提供している。
以前はPC業界といえば大手国内メーカーの存在感が大きかったが、近年は外資資本が入るなどして純粋な国産メーカーは数少ない状況。そこにテレビCMなどのマス広告で認知を広げたマウスが「中小企業のニーズとうまくマッチした」と金子本部長は振り返る。さらに近年はコロナ禍によるテレワーク需要でノートPCの販売数が一気に拡大した。
一方、21年度はデスクトップPCの需要が伸び、昨対比で8〜10ポイントの伸び率を記録しているとも話す。
「中小企業でもITツールを使った業務効率化が求められています。しかしその一方で、テレワークに移行して従業員にノートPCを支給したものの、それだけでは完結できない業務があることに気付き始めたのかもしれません。“アフターコロナ”を見据え、業務内容にあわせてデスクトップPCも選択肢に入れて、改めてビジネス環境を整えようとする動きが生まれています。また、最近では外部GPUを搭載した高性能なノートPCを1000台以上納入する機会もあり、法人用途でも特に映像制作やCADといったグラフィックス分野の裾野が広がっている実感があります」(金子氏)
MouseProのデスクトップ需要が増えた背景には、「当社がユーザーの働き方に合わせて、まさに一人一人に服を仕立てるように、各社のニーズをくみ取っているからこそ」と金子氏は自信を見せる。MouseProは中堅中小から官庁、教育・研究機関、映像・ゲーム制作現場など幅広く利用されている。国内生産・国内サポートで高い品質を追求しつつ、BTOでユーザーの要求に応える1台を送り出していることが支持につながっている。
製造業界のペーパーレス化から保育園のICTニーズまで幅広く対応
コロナ禍によって業務効率化やDXへの注目は高まりを見せている。しかし、いまだ古いPCを使い続けている中小企業は多い。情シス部門など専任のIT担当者がいない規模の企業では、「そもそも何をすればいいのか分からない」と足踏みしてしまう現状がある。中小企業の多くはDX以前に、バックオフィス業務のデジタル化や紙業務のペーパーレス化といった一歩手前の段階にある。
その場合、まず取り組むべきは解決したい課題の明確化と、その課題解決を実現するためのハードウェアの選定だ。ある工場では、ペーパーレスのテストとして、10台単位でMouseProのタブレット端末を導入。その結果、工場で発生する電磁波の関係上、無線LANでは周波数の干渉があることが判明し、LTE対応のタブレット端末を採用してペーパーレス化の第一歩を踏み出すことができたという。
また、近年はGIGAスクール構想だけでなく、保育園や幼稚園のICT化ニーズが増えており、保護者とリアルタイムで“報連相”できる環境が求められている。そこで政府の助成金なども活用し、まずはICTレベルでデジタルの利活用を検討する動きも見られると金子氏は語る。
こうした変化に合わせて、MouseProへの問い合わせ件数や商談数は右肩上がり。そのため、マウスコンピューターでは営業体制の強化を進めている。地方の販売店にとってもMouseProとの連携は渡りに船だ。例えば、コピー機をはじめとするOA機器を扱う地方販売店では、コロナ禍による半導体不足がサプライチェーンに影響を及ぼし「売るモノがない」上に、テレワークの普及によってOA機器は需要が激減。これまでのような入れ替えの提案も通りにくい状況だという。そこで、代わりの商材としてPCの販売に意欲的な販売店が増えている。
「卸売業者を介した販売パートナー開拓によって、特に地方で国産PCメーカーとしてのmouseおよびそのビジネス向けブランドであるMouseProに興味を持っていただくケースが増えています。まずは卸売業者にMouseProの良さを知っていただき、チャレンジを恐れない販売パートナーを紹介していただくことで、温度感の高い営業展開ができると考えています」(金子氏)
中小企業の支援を通じて日本の未来を支えるPCメーカーに
変化するビジネスニーズを満たし中小企業を支援していくだけでなく、将来日本のビジネスを担う人材の育成にも取り組んでいる。四国大学及び四国大学短期大学部との包括連携では、DX人材の育成や大学とeスポーツの共同研究に取り組んでいる。これら以外にも教育機関、地域振興の団体からeスポーツに関する相談が増えつつあるという。
「近年はeスポーツを観光資源にしようという動きが出ています。IT企業を誘致して学生とのコミュニケーションの場にしたり、プログラミング学習につなげたりといった展開も始まっています。当社では日本eスポーツ連合公認PCの販売、eスポーツチームのスポンサー締結などを通じて、将来の日本を支える人材育成にも取り組んでいます」(金子氏)
将来の日本を見据えつつ、「『SOHOや中小企業に安心して使ってもらえる製品づくり』というコンセプトはぶれないようにしている」と金子氏は語る。
「MouseProの強みはトレンドに応じた製品作りで、マーケットニーズを体現することにあります。例えば、自治体の入札案件では加点評価ポイントが変わり、プラレス製品といったサステナブルな製品が求められるようになっています。そのため、当社もプラスチックを使わない梱包への取り組みなどを通じ、SDGsを意識したメッセージを体現化してまいります」(金子氏)
マウスコンピューターは国産の信頼性ときめこまかいサポートで、中小企業の経営者一人一人と、まさに二人三脚でビジネスを展開してきた。国内企業の99%を占めるといわれる中小企業こそが日本の産業を支える重要な存在であり、日本の経済成長をけん引する原動力であることは言うまでもない。
「中小企業が求めるニーズは千差万別ですが、そこに寄り添っていけるのが国内生産、国内サポートを強みとするマウスコンピューターです。現在はDXという言葉が独り歩きしていますが、MouseProにできることを一歩一歩着実に積み重ねることで、中小企業のDX、ひいては将来の日本企業を支えていきたい。そのくらいの心意気で価値提供に取り組んでいきたいと考えています」(金子氏)
テレワークやGIGAスクールで注目される「MousePro」
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