「いろいろな材料でギターが作れることを知ってもらえたら」。三重県名張市西原町の公務員、松本孝寿さん(56)は、20年ほど前からギターを手作りしている。最近では、マンゴーの木で作ったギターが愛好家たちの間で評判だ。
自身でギターは弾いていたが、なかなかうまく弾けずに挫折しかけていたころ、テレビでギター製作の場面を見た。「作る方ならできるかも」と思い立ち、大阪にある工房へ週1回通った。「ギター作りの世界は奥が深く、材料となる木の切り出しなどで思っていたより時間がかかってしまった」が、9年ほど通い続けて腕を磨き、それからは作り手に専念するようになった。
マレーシアでの出会い
5年ほど前、世界的に有名なマレーシアのギター職人ジェフリー・ヨン氏に出会い、「マレーシアの木を提供するので、上海で開催される『ミュージックチャイナ』に一緒に出展しよう」と誘われ、その時に提供されたのがマンゴーの木だった。
フォークギターは、表はスプルーフ、裏はローズウッドという木を使うのが一般的だが、マンゴーのギターは木の色合いも良く、「カラッと明るく粒立ちの良い音」が特徴だそうだ。
12月18、19日に市内で開かれる「伊賀の手づくり作家展」で、松本さんはマンゴーのギター、尾鷲ヒノキのギターなどを展示する予定だ。
2021年12月11日付809号3面から
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