なお、現在稼働している量子コンピューターのプロセッサー部だけを入れ替えるのか、ハード全体を新たに導入するのかなど、導入に向けた詳細は会見では明らかにされなかった。
国内では、この3月に理化学研究所や富士通、NTTなどが開発に参画した国産初の量子コンピューター初号機が公開。この量子コンピューターは、64量子ビットとこれまで新川崎で稼働していたものよりも多くの量子ビットが使われていた。
今回、127量子ビットの量子コンピューターを導入することについて、IBMフェロー兼任IBM Quantumのバイス・プレジデントであるJay Gambetta氏は、
「127量子ビットシステムでは、これまで量子システムで実行されたものを超える複雑な量子回路の探求が可能になります。
この量子技術の進歩に伴い、私たちは量子優位性※に向けての競争を歩むことになるでしょう」
※量子優位性:既存のコンピューターよりも量子コンピューターの方が早く問題を解けること。
とその意味を語った。
政府はこの春、量子未来産業創出戦略という量子技術の実用化・産業化に向けた戦略の策定を進めている。
策定案では、2030年までに国内の「量子技術の利用者」を1000万人にすることを筆頭に、量子技術による生産額を50兆円規模にすることや、量子関連のユニコーンベンチャーの創出を狙っている。
国内では、理化学研究所を中心に、多様な量子技術のイノベーション拠点が存在する。東京大学がトヨタ、ソニーなどと組織している産学官連合である量子イノベーションイニシアティブ協議会(QII)もその一つだ。今回のIBMの装置導入は、経済産業省からの42億円の助成金を活用して進めていくとしている。
米中を中心に繰り広げられる量子コンピュター開発競争。今後課題となってくる、産業面での活用事例の探索はもちろん、次世代の量子人材の育成という面でも、国内で手軽に量子コンピューターにアクセスできる環境があるメリットは大きい。
からの記事と詳細 ( 東大とIBMが「理研超え」127量子ビットの量子コンピューター。この秋稼働へ - Business Insider Japan )
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