[株式会社小学館]
おいしくってためになる、“フードラブ”ストーリー
三年ぶりの一人暮らし、調味料を厳選し、調理器具を買い足しながら、「食べること」を追究する「わたし」の27日間
訳あって一人暮らしを始めた「わたし」。引っ越して三日目、宅配便でオーブントースターが届く。仕事に没頭し、気が付けば夜八時。買い物に出かけた彼女が、夕飯として購入したのはハムレタスサンドと肉まんだった。帰宅した彼女は、新居で初めての「料理」をする──。
«コンビニでもスーパーでも、最近売ってるサンドウィッチは、この数年で昔よりずいぶんおいしくなった気がする。ただし個人的には、それはちょっとふわふわと頼りなさすぎる。
だけどそれをオーブントースターで焼きこんだらずいぶん様変わりする、ということをわたしはかつて発見した。水分は程よく飛んでパンには歯ごたえが生まれ、圧倒的な香ばしさを纏う。中身にもほんのり熱が入るけど、レタスという野菜は軟弱そうに見えて案外タフな野郎で、少々の熱ではそのパリパリ感を失わない。それどころか熱はレタスの野生を呼び覚ます。冷たいままだとほとんど感じられない、ほのかな苦みや青い香りが現れてくるのだ。
コンビニの肉まんも、みっしりとした豚まんに慣れきった関西育ちのわたしにとっては、これもまたちょっとふわふわしすぎている。ただしこちらは多少焼いたところでふわふわ自体は矯正不可能だ。筋金入りの軟弱っぷり。ただし少し焦げるまで焼くと表面に一層だけカリカリのテクスチャが生まれ、それはビール(正確には……略)の良き友になる。»
(「第1話 3日目のオーブントースター」より)
調味料や食材を揃えていきながらごはんを作り、ファストフードやコンビニですませる日も、おいしく食べるための一工夫をわすれない。「食べること」の楽しみ方を追求する姿を描くフードラブ・ストーリー。小説を読みながら簡単でおいしいレシピや食の豆知識も身につくのは、料理人、飲食店プロデューサーとして活躍しながら、さまざまな食情報を発信する“ナチュラルボーン食いしん坊”ならでは! 上品さと親しみやすさがとけあった、食への愛情あふれる文体が心地いい。
「料理をすることや食べることは、いつだってそこに何らかの物語を伴っているのだ、ということに、漸く僕は気が付きました。
あるひとつの料理があるとして、それはいつどうやって知ったのか。これまで誰とどういうふうに食べてきたのか。今それを食べようとしているのは何故なのか。食べている時に心に浮かぶものは何なのか。全てが豊穣な物語を秘めています。
それはもしかしたら、人生そのものなのかもしれません」(著者)
著者による『キッチンが呼んでる!』についてのコラムはこちら▶▶▶
https://shosetsu-maru.com/yomimono/essay/kitchengayonderu
「自家製ポン酢を作り、冷や汁の手間を惜しまず、ごはんを食べるときはごはんの話しかしない。そんな彼女と暮らしてみたい。彼女はそれを拒むだろうけど」――フードエッセイスト・平野紗季子さん
平野さんによる『キッチンが呼んでる!』についての書評はこちら▶▶▶
https://shosetsu-maru.com/review/oshiteke/27
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『キッチンが呼んでる!』
著/稲田俊輔
定価:1650円(税込)
判型/頁:4-6/208頁
ISBN978-4-09-386661-3
小学館より発売中(11/18発売)
本書の紹介ページはこちらです↓↓↓
https://www.shogakukan.co.jp/books/09386661
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企業プレスリリース詳細へ (2022/12/07-17:46)
からの記事と詳細 ( さまざまな角度から「おいしい」を探求する稲田俊輔、初の小説!『キッチンが呼んでる!』:時事ドットコム - 時事通信ニュース )
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