意外かもしれないけれど、眠りにつけないことだけが不眠症の定義じゃない。不眠には、なかなか寝付けない入眠障害、頻繁に目が覚める中途覚醒、朝早くに目が覚める早朝覚醒といった複数のタイプがある。オーストラリア版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。
不眠症は、さらに2つのカテゴリーに分けられる。1つ目は、ストレスレベルやコルチゾールの増加、環境の変化(不慣れな環境や時差ボケ)に比例して起こる急性不眠症。2つ目は、週に3日以上眠れない状態が1カ月以上続く慢性不眠症。慢性不眠症は、疾患や長期的なストレスと関係していることが多い。女性は生理周期や閉経が原因の不眠症に悩むことも。この場合は、主にホルモンが原因で睡眠パターンの乱れが生じる。
どのタイプの不眠症も、フラストレーションと極度の疲労をもたらす点では変わりない。
寝不足になるとイライラするし、それが長期的に続けば、判断力や決断力にも悪影響が出かねない。これまでの研究結果も、寝不足で疲れているときは、判断ミスで自分の身を危険にさらしてしまう可能性や、高糖質・高脂質の不健康な食品を食べてしまう可能性が高くなることを示している。
不眠症と付き合うのは難しいので、その症状が全身の健康を脅かしているのなら、医師や専門家の力を借りるべき。不眠症の明白なサインや睡眠パターンの乱れが見られる場合、シンプルなテクニックで状況が改善すればいいけれど、しない場合は問題の根本的な要因を探らなければならない。
不眠症対策として、まず最初にするべきことは?
ベッドタイムが近づいたら、カフェインや砂糖といった刺激物を避けるのは基本中の基本。また、考えられる要因を“普通”の外側に探してみると、ヒラメキの瞬間が訪れたり、そうでなくても自分の睡眠パターンに対する理解が深まったりする。例えば、中国伝統医学のようなエリアに着目してみると、いままでとは違う視点で不眠症の根本的な要因を考えられるようになる。
問題解決の糸口は中国伝統医学にあり?
時計を見たくない気持ちは分かるけれど、目が覚めてしまった時間を記録しておくのは名案。毎日同じ時間なら、中国伝統医学で言うところの“臓器時計”が関係していることも考えられる。臓器時計は、それぞれの臓器のエネルギーがピークに達していることを示すもの。このコンセプトを理解すれば、毎晩同じ時間に目が覚める理由も見えてくる。不眠症の場合は、この方法が特に有益。例えば、午前1~3時は肝臓のエネルギーがピークに達する時間帯。その間は、肝臓が毒素の除去に取り組めるよう、他の臓器が休息に入る。よって、この時間帯に目が覚めるのは、肝機能や解毒経路に問題があることを示すサイン。深夜2時に決まって目が覚めるのは、お酒の飲みすぎが原因かも。
午前3~5時は、肺のエネルギーがピークに達する時間帯。体調が悪いときや胸部感染症が治りかけのときは、この時間帯に咳で目が覚めるかも。この場合は体を温め、穏やかな呼吸エクササイズで体に新鮮な酸素を送り込もう。
眠れないのは感情のせい?
未処理の感情が原因で頻繁に目が覚める人も多い。中国伝統医学によると、それぞれの臓器には、それぞれ別の感情がたまっている。従って、目が覚める時間と、その時間に関連する臓器を特定すれば、どのような感情で体内時計が乱れているかも見えてくる。例えば、肝臓にたまっているのは怒りとフラストレーション。午前1~3時に目が覚めて、未処理の怒りやフラストレーションがあるのなら、それを処理・管理するための方法を調べてみるといいかもしれない。肺にたまっているのは深い悲しみ。午前3~5時の間に目が覚めるのは、心の傷を癒やす必要があることを示すサイン。
変わったことをしたくないなら、別の方法で不眠症を撃退しよう。以下の5つのテクニックは、シンプルな割に効果抜群。
1.イライラを好奇心に変える
夜中に目が覚めてしまったときは、イライラせずに、何らかの理由から体が自分を起こしてくれていると思い直して。その理由が分からなくても、「どうして私を起こしたの?」と体にやさしく問いかけてみればOK。その答えに耳を澄ますと、信じられないようなことが起こる。仕事や育児に追われて日中に処理できなかった感情が理由なら、その感情を一度しっかり受け入れてあげること。瞑想と呼吸エクササイズは、頭をスッキリさせる上で非常に有効。
2.ストレスを管理する
寝不足の最大の要因の1つはストレスなので、その管理状況を見直すのは、睡眠の質を高める上でも健康状態をよくする上でも大いに役立つ。食生活と運動のバランスを整えて、マッサージなどで心身をリラックスさせてあげれば、驚くほどよく眠れるように。
3.日記をつける
吐き出すことの重要性を過小評価しないでほしい。多忙な人は常に何かを考えている。日記は、頭の中から“To-Doリスト”や厄介な思考を取り除く上で本当に効果的。気になることがあるときは、そのまま寝ないで日記に書いて!
4.ベッドタイムのルーティンを確立する
なかなか寝付けない人は、ベッドタイムのルーティンで体に眠る準備をさせてあげよう。就寝前の少なくとも1時間はスマホやパソコンの使用を避けて。液晶画面のブルーライトを浴びると、脳が日中と勘違いしてしまい、コルチゾールに対するメラトニンの割合が低くなる。温かいシャワーやカモミールティーで体を落ち着かせ、ラベンダーオイルを枕に数滴垂らしてから薄明りの下で本を読めば、嘘みたいにぐっすり眠れる。
5.眠る環境を整える
睡眠の質には、あなたが眠る環境が大きく関わっている。この環境には、寝室の温度だけでなく、寝具の質、光や騒音の量も含まれる。枕を変えるだけで、睡眠の質が一気に高くなることも! 寝室は、あくまで眠るための場所。電子機器を取り除き、心が落ち着く平穏な環境を作り出そう。
自分のコトンロールが効かないこと(病気や時差ボケ)を含め、睡眠を阻害する要因は無数にある。でも、いくつかのテクニックを身に付けておけば、その場の状況に合わせていろいろ試せる。そして、好奇心を持つことも忘れずに。睡眠は健康の特効薬。体がしっかり休まれば、気分もスッキリ!
最後は寝るときの姿勢。あおむけで腕を体の横に添えるのは、背骨のためにも体のアラインメントのためにもベスト。この寝姿勢なら頭の位置が高くなるので、胃酸も逆流しにくい。ただし、頭の位置が高くなりすぎるのは問題なので、枕を重ねるのは避けて。
※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Nat Kringoudis Translation: Ai Igamoto
からの記事と詳細 ( 頻繁に目が覚めるのも不眠症? さまざまな要因と対処法 - Women’s Health Japan )
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