現代(ヒョンデ)自動車は20日、米量子コンピューターメーカーのアイオンキューと提携して、効率性や安全性の高まった次世代バッテリーの開発に乗り出すと明らかにした。
量子コンピューターは、現存の最高性能を持つスーパーコンピューターより演算速度が数百万倍も速いことで知られている。複雑な分子構造や化学反応を計算する量子単位のシミュレーションも遂行できる。そのため、バッテリー素材や新薬開発、宇宙航空などの分野でこれまで解決できなかった難題を解決する未来のコア技術として注目されている。ドイツのメルセデスベンツやBMW、日本のトヨタなどの海外自動車メーカー各社は、高効率のバッテリーの開発や製造工程の改善などのために、量子コンピューターの専門企業と協力関係を築いてきた。
現代自のパートナーに選ばれたアイオンキューは、量子コンピューター分野の碩学といわれるデューク大学のキム・ジョンサン教授やメリーランド大学のクリス・モンロー教授が2015年に設立した会社だ。極低温でない常温でも作動する量子コンピューターを開発したことで有名だ。昨年10月には、純粋な量子コンピューターの開発会社としては初めて、ニューヨーク証券取引所に上場するほど嘱望されている会社だ。今回の協力で、現代自は、リチウム酸化物の構造とエネルギーをシミュレーションする「バッテリー化学モデル」を作る計画だ。同モデルは、リチウムバッテリーの性能や安定性を高め、コスト効率化にも貢献するものと期待される。
電動化が主流になってから、自動車メーカーが量子コンピューターを導入する事例が日増しに増えている。2018年11月、ドイツのフォルクスワーゲンは、カナダのディーウェイブと協力して、量子コンピューティングを活用した交通最適化技術を発表した。周辺の車両台数や速度などのデータをリアルタイムで収集し、最適化した経路を探す技術だ。メルセデスベンツとトヨタはそれぞれ、IBMと日本の官民協議会に参加して、バッテリーの新素材を探す研究に突入した。
最近、研究開発(R&D)組織の重心を内燃機関のエンジンから電動化開発に再編した現代自も、同じ線上で量子コンピューターの活用に目を向けたものと分析される。現代自のイム・テウォン基礎先行研究所長兼水素燃料電池事業部長(副社長)は、「量子コンピューターを通じて、次世代バッテリー市場を先取りする機会を狙いたい」と話した。
金在亨 monami@donga.com
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