本書は大ヒットとなった「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の続編である。前作に引き続き、英国で暮らす著者のブレイディみかこ氏とアイルランド人の配偶者、その息子の、3人の日常をつづるエッセイだ。13歳を迎えた著者の息子は、人種差別や社会格差などの渦の中で翻弄されていた印象の前作に比べ、自力でそれらを乗り切るすべを身につけ、たくましく成長したように見える。前作から読んでいると、他人の子供のことながら、息子の成長に著者と一緒になってうれしさと寂しさを感じてしまう。
続編ではあるが、それぞれのストーリーは関連しながらも独立しており、本作から読み始めても十分楽しめる。著者と家族の日常を通じて描かれるのは、さまざまな社会問題だ。人種・格差・移民問題のほか、LGBTQやポリティカル・コレクトネスといった、ニュースで耳にするようなトピックが、日常のものとして現れる。そしてこれは、英国だけの問題ではない。「遠い外国の物語」ではなく、今、この瞬間に、私たちを取り巻いている現実なのだ。
本書は一親子の物語を越えて、全世界に住む人にとって「わがこと」である。それぞれのエピソードにはヘビーなテーマが多いが、それを感じさせない著者の語り口が魅力的だ。本書からは、変化の激しいこれからの社会を柔軟に生き抜くたくましさが学べるだろう。激動の今を生きるビジネスパーソンにこそ、手に取ってほしい1冊だ。
今回ご紹介した「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2」の要約記事はこちら。この記事は、ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」からの転載になります。からの記事と詳細 ( [ブックレビュー]さまざまな社会問題「わがこと」に--「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2」 - CNET Japan )
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