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Monday, March 9, 2020

東大を蹴った哲学研究者・小林昌平「哲学はコンピューターのOSや白飯に近い」(TOKYO FM+) - Yahoo! - Yahoo!ニュース

放送作家の高須光聖が、世の中をもっと面白くするためにゲストと空想し、勝手に企画を提案していくTOKYO FMの番組「空想メディア」。3月1日(日)の放送では、エヴァンジェリストであり哲学研究者の小林昌平さんが登場しました。

◆哲学に目覚めたきっかけ

高須:“エヴァンジェリスト”というのは、どういう意味ですか?

小林:“伝道師”という意味です。いろんなことを広めておりまして、1つ挙げるとしたら、会社のビジネスの伝道ですね。複雑で、一言で説明が難しいような内容を、僕みたいな、おしゃべりが得意な人が伝える仕事です。

高須:いつから哲学に興味をお持ちになったんですか?

小林:大学1年生のときですかね。暗黒時代があったんです。“絶対に本など読むまい”と思っていた思春期に、あるキッカケがありまして。

高須:どういうことが起きたんですか?

小林:東京大学の合格を蹴って、別の大学に入ったんです。自分でも意味がわからないんですけどね。

高須:えっ!? 東京大学に受かるために、めちゃくちゃ勉強をしたんでしょう?

小林:勉強しました。意味がわからないですよね。

高須:もったいないね(笑)。だけど、今になると“東大を蹴った”ってエピソードは価値がありませんか?

小林:まったくないですね。何の得にもならないです。

高須:本当? インパクトがあるから目立つと思いますけどね。天才的な要素が見え隠れすると言いますか。だけど、東大に行かないで暗黒時代になったんやね。

小林:“東大を蹴る”という選択をしてから、いろんなことに悩んで、考えを巡らせて……それが、哲学に触れた最初のきっかけでした。

高須:なるほど。

小林:「“生きる”って何だろう?」というようなことを考えていました。

高須:深いねえ。

◆哲学とはコンセプトを編み出す学問

高須:そもそも、哲学って何なのですか? “人とは何か”“生きるとは何か”“死ぬとは何か”大きく考えたら3つは浮かびました。もっと他にも考えることはあるのかな?

小林:“人とは何か”“生きるとは何か”“私とは何か”というのは、哲学の分野では“存在論”と呼ばれています。他にも、哲学ではいろんなことを学びます。たとえば、日本のことを考えてみましょうか。

“みんなと同じほうを向いて歩け”とか“毎日、満員電車に乗って労働する”といった、同調圧力が強い印象がありますよね。そのイメージから脱却しようとするときに、“日本人は何ができるのか”とか“どういう戦略を持っているのか”とか“どういうコンセプトがあるのか”といったことを考えます。哲学とは、“どうやって生き抜いていくか”を考える学問だと思っています。

高須:そうなんだ。じゃあ、身近なところに紐づいていけるような答えがたくさんあるってことなのかな。

小林:あると思います。哲学の“哲”という漢字は、“コンセプト”という意味を示しています。コンセプトを考えて、編み出す学問ですね。新しいコンセプトを生み出した人が、トップの哲学者になります。そして、そのコンセプトは汎用性がとても高いものでないといけません。どんなものにも合うもの。食品でいうなら“白飯”です。白飯のようなコンセプトを生み出せた人は、すごい哲学者です。

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