「量子コンピューターのアプリケーション開発で、グーグルとの共同研究に興味を持つ企業はぜひ連絡をしてほしい――」。
米グーグルで量子アルゴリズムのチームを率いるリャン・バブシュ(Ryan Babbush)氏は2019年12月10日(米国時間)、米サンノゼで開催中の量子コンピューター国際会議「Q2B」に登壇し、居並ぶ参加者にこう呼びかけた。実際にプレゼンテーションで担当者の電子メールアドレスを公開してみせた。
Q2Bは、量子コンピューター向けのソフトウエアを開発する米QCウエア(QC Ware)が主催する国際会議。同分野の研究者に加え、量子コンピューターのビジネス活用を目指す化学メーカーや製薬企業、エネルギー企業の担当者などが参加する。
グーグルは2019年10月、量子ビットを54個搭載する量子プロセッサー「Sycamore(シカモア)」を開発し、既存方式のコンピューターでは到達し得ない能力を持つ「量子超越性」を実証したと明らかにした。
Sycamoreを含めた現在の量子コンピューターは、量子ビットの数が十分でなく誤り訂正ができないことから「NISQ(ノイズがありスケールしない量子コンピューター)」と呼ばれる。バブシュ氏はNISQを用いた研究開発の当面の目標として「業界を変革するアプリケーションの発見」を掲げた。「54ビットの量子プロセッサーで量子超越性を実証したが、現状で知られている唯一のアプリケーションは保障付き乱数生成にとどまっている」(バブシュ氏)。
グーグルがNISQの有力なアプリケーションとして期待を寄せているのが、分子のエネルギー状態を再現する量子化学シミュレーションである。同社はSycamoreを用いた量子化学シミュレーションの研究パートナーとして独ダイムラーを紹介した。
同社は独フォルクスワーゲン(VW)グループと並び、量子コンピューター分野でグーグルと提携する数少ない企業の1社であり、同分野では米IBMとも提携している。講演ではこれまでのグーグルとの共同研究の成果に加え、Sycamoreを使った最新の量子化学シミュレーションの実験結果を披露した。
顧客に突きつけた4条件
グーグルの量子コンピューターを利用してこの分野の研究開発に資金を投じる「顧客」を募るグーグルだが、誰もが顧客になれるわけではない。「2020年を通じて(量子超越性デバイスの)リソースは不足している」ことから、1産業当たり1~2社にとどめる。自動車、エネルギー、材料、化学、創薬、金融、電機、宇宙などの各分野で候補を募る考えだ。
バブシュ氏は顧客企業の条件をいくつか明示した。
1つは、グーグルとの共同開発の対象となるアプリケーション開発が重要な科学的進歩につながる点。「収入増や市場シェアなどのビジネス面ではなく、科学への貢献を重視する。過剰宣伝(overhype)につながる研究テーマも採用しない」(バブシュ氏)。
もう1つは顧客企業自らが優れた科学者チームを雇用し、グーグルの研究チームの一員として共同研究に関わること。量子コンピューターに詳しいスタートアップ企業の研究者をメンバーに加えてもよいとする。
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