
『脳はすすんでだまされたがる マジックが解き明かす錯覚の不思議』(角川書店) 著者:スティーヴン・L・マクニック,スサナ・マルティネス=コンデ,サンドラ・ブレイクスリー
◆ミステリー執筆の参考にも
著者こそ異なるが、本書は評者がこの欄で1年前に紹介した、『錯覚の科学』と対をなすべき、啓蒙書である(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2012年)。
ここでは、注意力の欠如や記憶の誤りなど、さまざまな理由で起こる錯誤のメカニズムを、マジックの成り立ちをとおして、解明しようとする。周知のとおり、推理小説のトリックは、マジックの仕掛けとよく似ている。読者を、間違った方向に誘導しておき、最後に意外な真相を示して、度肝を抜く例の手法である。
本書は、人がいかにだまされやすいかを、マジシャンのテクニックを紹介しつつ、興味深く解き明かす。関連するマジックの、実技と種明かしが随所に織り込まれているので、素人マジシャンの手引書としても、楽しく読める。
推理小説の世界には、先年亡くなった泡坂妻夫さんという、マジックの名手がいた。もしかすると、本書はミステリー作家を目指す人が、トリックを考えるための参考書として、活用できるかもしれない。
【書き手】
逢坂 剛
1943(昭和18)年、東京生れ。中央大学法学部卒。1966年博報堂に入社。1980年「暗殺者グラナダに死す」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。1987年『カディスの赤い星』で直木賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。1997(平成9)年6月に博報堂を退職、作家業に専念する。他に『百舌シリーズ』『イベリア・シリーズ』『長谷川平蔵シリーズ』『近藤重蔵シリーズ』等多数の作品がある。
【初出メディア】
朝日新聞 2012年5月27日
【書誌情報】
脳はすすんでだまされたがる マジックが解き明かす錯覚の不思議著者:スティーヴン・L・マクニック,スサナ・マルティネス=コンデ,サンドラ・ブレイクスリー
出版社:角川書店
装丁:単行本(333ページ)
発売日:2012-03-28
ISBN-10:404110159X
ISBN-13:978-4041101599

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さまざまな理由で起こる錯誤のメカニズムを、マジックの成り立ちをとおして解明 (2020年4月4日) - エキサイトニュース - エキサイトニュース
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