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Tuesday, December 19, 2023

自作派にこそ改めて見てみてほしい!マウスコンピューター“NEXTGEAR”から再挑戦する「チューンナップできるPC ... - AKIBA PC Hotline!

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 自分が作りたいPCに合わせて最適なPCパーツを選んだり、届いたPCパーツたちを1台のPCとして仕上げたりする過程は、自作PCファンにとっては至福のときと言える(個人差はあります)。また、PCゲーミングやテレワークが広まり、個人による動画を含むコンテンツ発信なども珍しくないものとなり、PCに求められる性能が高い時代になってきた。

 だからと言って前と同じように新しくPCを自作しようにも、時間や予算のやりくりは年々難しくなるし、新しい製品や技術の登場でPCはだんだん古くなるしで、長年連れ添う愛機を前に途方に暮れる、なんて人も少なくはないだろう。

 そんな思いを持つ人に向けて、今回は“趣味=PC自作”を軸にしつつ、今後のPCとの新しいお付き合いの仕方を提案してみたい。PCユーザーならよく知るスタイル、「BTO PC」だ。今回はマウスコンピューターが展開するBTO PCブランド、特にその最新ブランド“NEXTGEAR”を例に、その利便性と使い勝手を紹介していこう。

汎用性の高いゲーミングPCをBTOでさらに強化できる

 BTOとは「Build To Order」の略。簡単に言えば「注文PC」である。とはいえ今どきは“フルカスタムオーダー”というわけではなく、マウスコンピューターを代表とするBTO PCメーカーは、ユーザーのニーズや趣味嗜好、価格設定に応じたさまざまな“ブランド”や“ベースモデル”を用意し、欲しいPCを選び、カスタムして注文できるようにしている。

 ここで紹介する“NEXTGEAR”は、マウスコンピューターの最新ブランドの一つで、「低価格ながら、高性能・優れたデザイン性を兼ね備えており、ゲームを楽しむすべての方におすすめ」というテーマを掲げている。主にカジュアルなPCゲームユーザー向けのBTO PCをラインナップする。

 NEXTGEARブランドではデスクトップPCタイプとノートPCタイプを用意しているが、自作PCからの移行ユーザーにオススメなのはデスクトップPCタイプだ。CPUはAMDのRyzenシリーズ、ビデオカードはNVIDIA GeForceやAMD RadeonのミドルレンジGPUを搭載したカードを中心にラインナップしている。

 デスクトップPCタイプのPCケースやマザーボードは、自作PC向けパーツとしてもなじみ深いmicroATXフォームファクターのものを使用。特殊な仕様なものではないので、今までの自作PC歴で培ってきた知識やノウハウがそのまま活かせる。たとえば今回試用したモデルも、ケースの中を覗いてみれば、拡張カードのアップグレード、メモリやSSDの換装が自作PCと同じように行なえるタイプであることがすぐに分かる。

 つまり、自作PCベテラン勢なら、このマシンをベースに「長く付き合えるし、いろいろと遊べる」のである。

左側板を空けて内部を確認すると、今まで利用してきた自作PCとほぼ同じ作り

 ノートPCタイプのBTO PCも、ノートPC自体の近年のパフォーマンスの大幅な向上、コストパフォーマンスや導入の容易さなど、デスクトップPC派から見ても魅力は豊富なのだが、趣味性も伴うような拡張やメンテナンスのしやすさではデスクトップPCタイプに一歩譲る。

 とはいえ、前述のようにノートPCのパフォーマンス向上は目覚ましく、PCゲームをカジュアルに楽しみたいユーザーにとっては必要十分の性能を備えるほどだ。PCゲームを含めたエンタテイメントコンテンツを場所を問わず楽しみたいなら、ベテラン自作派であっても新しい相棒にはノートPCタイプがオススメだ。

NEXTGEARブランドではノートPCタイプも扱っている

 こうしたブランドごとの特性に合わせた基本構成に加え、自分が欲しい機能をピンポイントで強化して購入できるのが、BTO PCの大きなメリットだ。たとえば、画像や動画の編集、巨大なデータの演算など、大きなメモリ領域を必要とする作業をしているなら、32GBや64GBといった大容量メモリに変更できる。高解像度動画の編集などで大容量のファイルを扱う、あるいは最新の大作ゲームを何本もダウンロードしておきたいなら、2~4TBの大容量SSDに変更することも可能だ。

 またマウスコンピューターのBTO PCでカスタマイズできるのは、そうした基本スペックだけではない。電源ユニットの出力や外付けストレージ/光学ドライブの有無、停電に備えるUPSユニット、配信やビデオ会議を快適に行なえるようになる外付けの高音質マイク、キーボードやマウス、マウスパッドなど、PCで使う周辺機器はほぼ網羅していると言ってよい。

BTOメニューからメモリやSSDの容量を変更したり、各種周辺機器を追加したりできる

 しかも価格は一般的なPCパーツショップで購入する場合と同水準で、割高感がないのもうれしい。また別々のパーツショップで購入する場合、サポートの問い合わせ先が分散していまうが、BTO PCのオプションで購入する場合は、マウスコンピューターにまとめてサポートを依頼できる。またBTOメニューとして用意しているということは動作確認も十分に行なわれているわけで、安心感もある。

用途や欲しいパワーの目安がはっきりしているならベースとなるPCの選択肢はより具体的になる。たとえばよりゲーミングに特化した強力なPCが欲しいなら、「G-Tune」ブランドのBTO PCが最適解となる

普段の作業やPCゲームは快適、アップグレードの余地も大きい

 実際にBTO PCを買う場合、その目的をきちんと整理しておくことが重要だ。たとえばマウスコンピューターの場合、最新のPCゲームをバリバリプレイしたいなら“G-Tune”、動画編集や超高解像度画像の編集などがしたいなら“DAIV2”など、具体的な目的がはっきりしているなら、各ブランドのターゲットを見極めて最適なモデルを選ぶのがベストだ。

 しかし、古い自作PCの力不足が気になってきた、新しいPCを自作する手間やコストはかけられないが“手ごろな価格で性能もちょうどよい”PCに新調したい、ということなら、汎用性が高く、コストパフォーマンスも良好なNEXTGEARをプッシュしたい。

 今回試用したのは、CPUにAMDのZen 4アーキテクチャを採用する「Ryzen 5 7500F」、ビデオカードとしてはNVIDIAの最新ミドルレンジGPU「GeForce RTX 4060 Ti」搭載カードを組み合わせたデスクトップPCタイプ「NEXTGEAR JG-A5G6T」で、標準モデルの実売価格は169,800円。このほかメモリは16GB、ストレージはPCI Express 4.0対応のNVMe対応SSDと、ミドルレンジのPCとしては標準的で、今回のテーマには理想的なスペックと言える。

前面パネルは上部と下部にメッシュ構造を採用し、通気性を高めている
背面の様子だ。12cm角ファンは固定位置を上下にずらせる構造

 実際に使ってみると、Microsoft Officeを用いた書類作成、Webブラウザによる情報収集、音楽/動画配信サービスなどの軽作業はもちろんサクサクと非常に快適に動作。Windows 11自体の動作もスムーズで、アプリの起動やウィンドウ上の操作でもた付くような場面はない。もちろんMicrosoft TeamsやZOOMなどビデオ会議アプリもなんなくこなす。

 そうした日常的なアプリの使用感をScoreで計測できるベンチマークテスト「PCMark 10」では、総合Scoreが10,000を超える。最新のミドルレンジPCらしい優秀なScoreであり、一般的な事務作業を中心としたビジネスアプリ、ホビーユーザーレベルの写真・映像編集などの用途で力不足を感じることはない。

PCMark 10の計測結果

 ビデオカードはミドルレンジのGeForce RTX 4060 Ti搭載カードなので、多くのタイトルがフルHD~WQHD解像度で快適にプレイでき、とくに描画負荷の高いPCゲームでも画質設定をちょっと下げてやれば無理なく遊べるだろう。もちろん、GeForce RTX 40シリーズ専用機能であるDLSS 3も利用できるのは大きなメリットだ。

 3Dグラフィックスの描画性能をScoreで計測できる3DMarkの結果は下の画面のとおりだ。前世代の上位モデルで格付け的には“アッパーミドル”分類される「GeForce RTX 3070」搭載カードに匹敵するScoreが出ている。

3DMark Speed Wayの計測結果
3DMark Time Spyの計測結果
3DMark Fire Strikeの計測結果

 実際のPCゲームを利用するベンチマークテストもいくつか実行してみた。比較的描画負荷の低い「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」では、WQHD解像度までは、[最高品質]設定でも速度低下ほぼゼロでストレスなく遊べる[非常に快適]と判定。4K解像度では最高品質設定だとやや速度低下が生じる[快適]判定に。少し設定を下げれば快適になるが、RTX 4060 TiならベストセッティングはWQHDだ。

ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマークの計測結果。WQHDまでは最高品質設定で「非常に快適」判定

 描画負荷の高いPCゲームの例として、「サイバーパンク2077」のベンチマークテストモードも試してみた。[レイトレーシング:ウルトラ]設定の場合、4K解像度だと平均FPSでも約36、WQHD解像度でも平均FPSは約61にとどまるなど、さすがに厳しい。

 しかし、RTX 40シリーズで利用できるフレームAI生成機能、DLSS 3を有効にすることで、WQHDなら平均FPSが約83まで上昇、全体的に動きがスムーズになる。総合して考えると、PCゲームが目的なら本機に最適な液晶モニターはWQHD解像度のもの、と言えそうだ。

サイバーパンク2077の計測結果。映像表現が美しいレイトレーシングを使うなら、RTX 40シリーズでのみ使えるDLSS 3の併用がオススメ

 さらに、近年注目を集めている高性能なビデオカードの用途は“AI”関連だ。下のグラフはAI性能テストの結果をグラフで比較したもの。CPUだけで行なうAI演算と比べると、最新のビデオカードを利用した演算のほうが高速に処理されることを意味する。高性能ビデオカードは「PCゲームだけに効く」わけではないのだ。

AI性能を計測するUL Procyon AI Inference Benchmarkの計測結果。ビデオカードを搭載しているので、GPUを活用した高い演算能力を利用できる

 こうした性能面だけではなく、拡張性やメンテナンス性にも優れる。前述したように、PCケースやマザーボードはmicroATXフォームファクターに対応した一般的なPCパーツだった。強化ガラス製の左側板を外せば内部にアクセスでき、ビデオカードやメモリ、M.2 SSDの交換も容易だ。

 また、Ryzen 5 7500FはAM5プラットフォームに対応するAMDの最新CPUである。AMDではこのAM5プラットフォームを今後数年間使い続けることを明言しているため、マザーボードに対応UEFIが提供されるなら、今後登場するであろう最新世代のRyzenシリーズへの換装にもチャレンジできる可能性が高い(CPUなどの交換・換装によるトラブルはメーカー保証やサポートの対象外となるので、その点は十分注意していただきたい)。

 PCケースはスタンダードなミニタワーケースで、内部には余裕がある。ホコリの清掃やパーツ交換は、楽に行なえるだろう。また前面や天板にもかなり余裕があり、天板には24cmクラス、明言はされていないが前面にも簡易水冷型CPUクーラーのラジエータを組み込めるだろうスペースがあった。根っからの自作派視点で見ると、あれこれいじりながら長く付き合っていけそうと感じられるものだった。

CPU周辺、天板とマザーボード上辺部分、ケース内の前面方向には十分なスペースが確保されている。あとからラジエータやファンを“自力で”組み込むことは、スペック上も作業のしやすさ的にも十分可能。自作派にもたまらないデザインだ

幅広いユーザーにお勧めできるNEXTGEARブランドのBTO PC

 長年自作PCを利用してきたユーザーにとって、BTO PCは、今まで培ってきた知識を活用して購入後も長く使い続けられるパートナーになる、と捉えることができる。一方で、自作PCに不慣れなユーザーにとってBTO PCは“カスタムの楽しさ”が難しい作業なしで楽しめる魅力的なものであることは言うまでもないのだが、逆にBTO PCを出発点に、PCの自力カスタマイズ、さらには自作PCにもチャレンジする、というルートもあるだろう。

 とくに今回紹介したNEXTGEARブランドのデスクトップPCは、ゲーミングPCとしては価格も程よく、さまざまな用途に対応できる汎用性も備えている。自作PCからの乗り換えはもちろん、PCそのものの初心者にもお勧めできる優れたBTO PCと言えるだろう。

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