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Tuesday, October 17, 2023

銀行間決済システム障害、中継コンピューター更新で不具合か…6 ... - 読売新聞オンライン

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 銀行間の資金決済を担う全国銀行データ通信システム(全銀システム)で10日朝に起きた障害は、依然として復旧の見通しが立っていない。全銀システムは経済活動を支える重要基盤で、障害が長期化すれば個人や企業への影響も大きい。運営する全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)は、早期の復旧と原因の解明が求められる。

 全銀システムは振り込みや資金決済を処理する基幹システムだ。銀行や信用組合など1000を超える金融機関が参加し、2022年度は1営業日平均で約806万件、約14兆円の取引が行われた。

 全銀ネットによると、障害は7~9日の3連休にシステムを更新した14の金融機関のうち、11行で発生した。全銀システムと各行を結ぶ「中継コンピューター」を更新した際に不具合が生じた可能性があるという。

 中継コンピューターは保守期限を迎える6年ごとに更新している。29年までに24回に分けて全ての金融機関で実施する予定で、今回はその第1弾だった。全銀ネットは中継コンピューターのプログラムに誤りがあったとみており、原因究明を急いでいる。

 全銀システムの障害は1973年の稼働後初めてだ。日本銀行出身で京都大の岩下直行教授は、「全銀システムの基本的な設計は昔から変わらない。その一方、金融機関のシステムが高機能化するなど、仕組みが複雑になっていることも遠因になっているのではないか」と指摘する。

 各行は11日、他行宛ての振り込みの受け付けを制限するなどの対応に迫られた。

 受け付けを正午までに短縮した三菱UFJ銀行のほか、りそな銀行は午前11時から午後3時半までに受け付けた振り込みを12日以降に着金する対応とした。12日以降も、同様の対応を取る可能性がある。

 全銀システムのうち、平日の午後3時半~翌日午前8時半の間や、休日を担うシステムは通常通り稼働しており、午後3時半以降に振り込むように促す金融機関もある。

 復旧に時間がかかっているのはなぜなのか。

 システム障害の際には、正常に作動していた元の状態に戻す方法もあるが、全銀ネットは「新たな障害が起きるリスクが小さい」としてプログラムの改修を選択した。

 10日夜の作業では復旧に至らず、他の金融機関への影響も考慮して11日は日中の作業を見送り、夜間に改修を進めていることも時間がかかる要因になっている。

 銀行のシステムに詳しい京都情報大学院大学の甲斐良隆教授は、「全銀システムに多くの金融機関がつながる中央集権的な仕組みが、大きなトラブルにつながるリスクが明らかになった。復旧には一刻の猶予もない」と話す。

 全銀システムは昨年、「PayPay(ペイペイ)」などのスマートフォン決済事業者の接続を認めることを決めた。2024年初め頃の運用開始に向けてシステム整備を進めており、今回の経験を生かしたシステムの 強靱きょうじん 化も求められる。

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