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Thursday, October 6, 2022

「量子コンピューター」は何がすごい? 専門家2人が1時間で解説 - 日経ビジネスオンライン

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岸田文雄内閣の「新しい資本主義」の重点投資に組み込まれた量子コンピューター。米中が開発にしのぎを削るなか、遅ればせながら日本でも社会実装への取り組みが始まっている。既存のコンピューターよりも処理速度が速いといわれる量子コンピューターだが、その技術や、我々の社会や経済をどう変える可能性があるのかを理解している人はまだ少ないのではないだろうか。

日経ビジネスLIVEは9月13日、「1時間で完全理解、 『量子コンピューター』は何がすごいのか」と題したウェビナーを開催した。講師として登壇したのは、住友商事で量子コンピューターによる新規事業創出を担うQXプロジェクト代表・寺部雅能氏と、量子コンピューターの動向に詳しい野村総合研究所IT基盤技術戦略室エキスパート研究員の藤吉栄二氏。技術的な特徴から、ビジネス活用の最前線まで分かりやすく解説した。

(構成:森脇早絵、アーカイブ動画は最終ページにあります)

佐藤嘉彦・日経ビジネス記者(以下、佐藤):本日は「1時間で完全理解 『量子コンピューター』は何がすごいのか」と題して、住友商事QXプロジェクト代表の寺部雅能氏と野村総合研究所IT基盤技術研究室エキスパート研究員の藤吉栄二氏にご講演いただきます。それでは本日の講師をお招きしたいと思います。寺部さん、藤吉さん、よろしくお願いします。

寺部雅能・住友商事QXプロジェクト代表(以下、寺部氏):本日はよろしくお願いします。

藤吉栄二・野村総合研究所IT基盤技術戦略室エキスパート研究員(以下、藤吉氏):よろしくお願いします。

佐藤:最初は寺部さん、続いて藤吉さんにプレゼンテーションをしていただき、番組後半で視聴者の皆様からの質問にお答えしつつ議論を深めていきたいと思います。では、寺部さん、お願いします。

寺部氏:私は住友商事において、量子コンピューティングを活用して新事業を創出する「クオンタム・トランスフォーメーション・プロジェクト(QXプロジェクト)」を立ち上げ、そのリーダーを務めています。

住友商事QXプロジェクト代表の寺部雅能氏

住友商事QXプロジェクト代表の寺部雅能氏

 そもそも「量子」とは何でしょうか。実は、皆さんの身の回りにあるすべてのもの、皆さん自身も、超ミクロに見ると量子でできています。つまり量子は、原子、あるいは原子を形作っている電子や中性子のことです。

 ではなぜ最近、ことさらに量子が注目されているのかというと、量子を使ったコンピューターに期待が集まっているからです。量子には、複数の状態を同時に持つという特徴があります。従来は、0または1を持つ「ビット」で計算するコンピューターを使ってきましたが、量子の性質を使うと、0と1を同時に持てる「量子ビット」で計算することができるのです。

 私たちの目に見える世界では、2つの状態が同時に存在することはありません。でも、量子の世界では、そういった不思議な現象が起こります。これを使うと、「量子コンピューター」ができるわけです。一言で言うと、量子コンピューターは、最適な答えを超高速に見つけ出してくれるコンピューターなのです。

図1

図1

[画像のクリックで拡大表示]

 従来のコンピューターは、例えば3ビットあるとしますと、「000」から「111」まで、組み合わせは全部で8通りあります。8通りのなかから一番いい組み合わせを求めようとしたとき、8回計算して答えを求めます(図1の左)。

 量子コンピューターを使うと、これらすべての組み合わせを同時に探索できます。先ほどの例だと、8通りを同時に探索するだけかと思われるかもしれません。しかし、30ビットあれば、組み合わせは全部で10億通りとなります。この10億通りを同時に探索できたら、ものすごく速く答えを見つけることができる。これが、量子コンピューターへの主な期待です。

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