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Thursday, November 25, 2021

「N予備校」で高校生向けに量子コンピューターを講義、人材不足の切り札になるか - ITpro

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 量子コンピューターの開発競争が激化している。その中心になっているのが、米IBMや米Google(グーグル)といった米国のIT企業や中国の研究所だ。日本でも量子コンピューターの方式の1つ「量子アニーリング」が生まれるなど、それなりの実績はある。しかし、現在の量子コンピューターの開発競争で日本は大きく後れを取っている。

 量子アニーリング方式の提唱者の1人である東京工業大学の西森秀稔特任教授は「日本の最大の弱点は研究者層の薄さだ」と指摘する。「米中と比べると人材の厚みに10倍以上の差がある。大学での基礎研究が重要であり、20年後30年後をにらんだ人材育成の投資が必要だ」という。

 こうした状況の中、高校生向けに量子コンピューターの基礎理論を講義するというユニークな取り組みが2021年9月に登場した。ドワンゴが「N予備校」という学習教材の中で角川ドワンゴ学園の生徒および一般向けに提供する「量子計算入門」という講座だ。

量子計算入門の講義の様子

量子計算入門の講義の様子

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 N予備校では、同学園が運営する「N高等学校(N高)」や「S高等学校(S高)」、中学生向けフリースクールの「N中等部」の生徒が、様々な分野のコースを選んで動画で学べるようになっている。ドワンゴが運営するニコニコ生放送のシステムを基に独自開発したもので、生放送の視聴者が書き込んだコメントが画面上を流れるのが特徴だ。生放送の講義を見逃した人は後から動画を視聴できる。

 N予備校は基本的に学園生徒しか視聴できない講座が多いが、量子計算入門はニコニコ動画のアカウントさえ持っていれば誰でも無料で視聴できる。このため、学園生徒以外に大学生や社会人なども参加している。

 量子計算入門の教材は、社会人向け数学教室「すうがくぶんか」が作成し、電気通信大学の西野哲朗教授が監修している。講師を務めているのは、すうがくぶんかの内場崇之氏だ。

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