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Sunday, November 28, 2021

目指すは2050年。事故死者ゼロ実現に向けたHondaの取り組み | Honda Stories | Honda公式サイト - Honda モータースポーツ

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現在の安全技術は、「先進運転支援システム(ADAS)」として、クルマに搭載されたセンサーやレーダーでクルマ内外の状況を検知して、ブレーキやハンドル操作をサポートしています。こうした技術の研究開発は急速に進み、2021年11月からは国内で発売される新型車へ衝突被害軽減ブレーキの搭載が義務化されるなど、急速に普及が進んでいます。また社会の変化やインフラの整備などの中で、令和2年(2020年)の交通事故死者数は2,839人。ピークとなった昭和45年(1970年)の1万6,765人から5分の1以下まで減少しています。

一般的に安全技術は、ADASのように、ぶつかる瞬間やその直前の場面での対策と考えられています。すなわち、ぶつかることを避ける、もしくはぶつかってしまったとしても被害を軽減するための技術。もちろん、こうしたクルマ側の技術を磨いていくことは重要です。

しかし、世界のあらゆる場所から交通事故による死者をなくすためには、クルマ・バイクの技術や、環境整備だけでは不十分。なぜなら、事故を起こすのは「人間」だからです。「“人”の不安をなくすことで、事故のリスクから解放し、安心して自由に移動できる社会を作る」。この本質的な課題を解決するために、Hondaの技術者は「人と向き合う」ことから始めました。

リスクからの解放には自動化だけでなく「自信」が必要

本田技術研究所 先進技術研究所 エグゼクティブチーフエンジニアの髙石秀明(たかいしひであき)が、研究の出発点を振り返って話してくれました。ここから、どんな技術につながったのでしょうか。

髙石秀明

本田技研工業株式会社 経営企画統括部 安全企画部長
株式会社本田技術研究所 先進技術研究所 安全安心・人研究ドメイン
エグゼクティブチーフエンジニア
髙石秀明

1987年入社。初代オデッセイのプロジェクトリーダーなど量産車開発や、米国への駐在を経て、2011年に経営企画部へ。2021年4月より安全企画部長を務める。Hondaの安全技術開発を牽引してきた第一人者。

高石スタートは、お客様がどんな困り事や不安を抱えているのかを考えることからでした。当たり前ですが、不安に感じることは多種多様で、一人ひとりの状況によって異なるものです」

高石 「この9つの項目を見てください。皆さん、日常運転でこうした不安を感じたことがあるのではないでしょうか?運転ミスや注意力不足を生み出す原因です。つまり、事故が起こる前から、不安によってすでに事故リスクが高まっているんです

高石 「これをなくした状態が『安心』。事故のリスクに近付かなくて済む状態ですが、極端に言うとリスクがあることすら感じない状態を作り出したい。『安心』を追求することこそが、Hondaの目指す交通事故死亡者ゼロの社会につながっていきます

この「安心」を実現するために、Hondaは人についての研究を徹底的に行いました。

高石 「Honda内で議論するだけでなく、未来学者など外部の専門家の皆さんとも話し合って、これからの社会がどうなるかを考えました。その中ではっきりしたのは、人の意識の中にある、『自分の意志で行動したい』という欲求が今まで以上に高まってきているということです。ということは、一人ひとりの想いや希望に寄り添った技術でなければ受け入れられない。だから、モビリティを完全に自動化して事故を起こさないようにするだけではないんです。Hondaの目指すゴールは、自信を持って運転できること。それこそが安心できる状態です」

運転に自信のない人でも、自分のミス「ヒューマンエラー」がなくなるように技術がサポートしてくれたらどうでしょう?これを実現する技術の一つが、「知能化運転支援技術」です。

高石 「MRIを使用して、人の脳の動きを研究しました。運転中に脳がどんな活動をしているのか、リスクのある行動との関係を解析した上で、AI(人工知能)を使って、リスクに近づかせない、リスクを見落とさなくなる技術を開発しています。具体的には、運転操作ミスや見落としや予知予測ミスをしないように、運転席での表示や、音・振動などでリスクを分かりやすく伝えたり、AIが操作を支援したりする技術です」

「次世代の運転支援による3つの提供価値」 「次世代の運転支援による3つの提供価値」

この技術は、ドライバーに自信をもたらします。前を見ることで精一杯になってしまう運転初心者に対して、他のクルマや歩行者が横から近づいてきたことを知らせたり、年齢を重ねたため反応に自信がなくなってしまった高齢ドライバーの操作をアシストしたりといったサポートを行うことで、安心してハンドルを握ってもらうことができるようになります。実験時の映像がこちらです。

こうしてドライバー一人ひとりの不安をなくし、自信を持つために支援していく一方で、道を使うすべての人に向けた取り組みもHondaは考えています。そこで開発が進んでいるのが、人・モビリティ・インフラが通信でつながることで、多様なリスクを回避する「安全・安心ネットワーク技術」。まずは、この映像をご覧ください。

これは、すべての交通参加者が繋がり、共存するための技術です。Honda独自の研究により道をつかうすべての人の行動、状態を推定し、その情報を統合的に判断することで、道路環境におけるリスクを予知・予測します。この先読みしたリスクを、それぞれの交通参加者の状況に合わせて知らせることで、事故が起こりうる手前で未然に回避し、誰もぶつからない交通社会の実現を目指します。
その一例として、歩行者飛び出し抑制システムを紹介します。これは通信によってドライバー、ライダー、歩行者が繋がり、歩行者が飛び出しそうになったら、それをスマートフォンへすぐさま通知して抑制し、クルマのドライバーにもその危険を知らせます。さらには、死角になっている箇所に潜む危険も予測して共有するなど、人が認識できない情報も共有して安心を高めます。

高石 「Hondaの安全スローガンは『Safety for Everyone』。『すべての人の安全を目指して』という思いが込められていますが、『Safety for ALL』とはなっていないんですね。これは、『ALL=全体』に対して一律で何かを当てはめて安全を作り出すのではなく、『one=一人ひとり』の意志を尊重しながら、『Everyone=みんな』が安心できる社会を作り出すのが、Hondaの目指す姿だよ、という意味なんです」

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