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Tuesday, June 1, 2021

【田辺裕信 ゆる~い話】馬にさまざまな合図を送る手段のステッキ - サンケイスポーツ

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 ステッキは騎乗者が馬に合図を送る道具のひとつです。数年前までは、先端部分が革やエナメル質で、叩くと痛みを強く感じる形状でした。しかし今、そのタイプは調教でも使用できません。国によって違いますが、基本的に先端部分が衝撃を吸収する素材で、痛みを感じないと思われるタイプしか使用が認められていません。

 衝撃を吸収する素材は以前よりも柔軟な感じです。ただ、逆にステッキ全体が重くなって、以前の素材が局所的な痛みであったのに対して、ひょっとしたら馬によっては重さによる強い圧を感じるかもしれません。

 以前のタイプよりもやさしいかといわれると、個人的には大きな差があるのかなあと思います。今はステッキの連打も認められていませんし、実際に使用しての効果は以前のと今のとで大きな差は感じづらいように思います。

 それよりも、以前のタイプには、先端部の手前に飾りが付いて振ると空気抵抗でピュッと音が鳴るタイプがありました。いわゆる見せムチをすると、視界に入るだけではなく、音も聞こえてきます。その音が馬への合図でもあったのですが、今はそれも認められていません。

 ステッキは叩くこと、見せること、そして音で効果がありました。ステッキはそもそも合図であって、叩いたからといって馬が走れば苦労はしません。

 さまざまな合図を送る手段のひとつがステッキです。騎手がどのようにステッキを使っているかをよく見てみるのもおもしろいかと思います。 (JRA騎手)※隔週水曜日掲載

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