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Thursday, April 22, 2021

さまざまな鳥を表す漢字の中でも「燕(つばめ)」は少し特別だ… - 東京新聞

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 さまざまな鳥を表す漢字の中でも「燕(つばめ)」は少し特別だ。多くは「鳥」や尾の短い鳥を意味する「隹(ふるとり)」が付くのに対し、飛ぶ姿をかたどっているとされるのが「燕」という。中ほどの左右に伸びた部分が翼のようだ。下部の点が尾だと知れば「燕尾(えんび)」が見えてくる▼近所のクリーニング屋さんの軒先にあった古い巣から先日、長いのと少し短いのと、きれいに伸びた燕尾がのぞいていた。いつの間にか、つがいがいる。各地で夏日になったが、毎年、初夏の訪れを告げるように、列島の南から北へとツバメが戻る季節である▼長谷川克著『ツバメのひみつ』によると、成鳥になって一・六年ほどしか生きない。戻ってきたのが、昨年去っていったあの鳥とは限らないそうだ。とはいえ、第四波といわれるコロナ禍で重い空気の土地に“帰還”してくれたようで、いつもの年以上に、うれしく感じられる▼東京などへの緊急事態宣言が近づき、長い旅はさらに縁遠くなりそうな時である。東南アジアなどから、長旅をしてきた鳥たちに何を見てきたのかと尋ねたくもなる▼作物につく虫を食べ、そのかわりのように、天敵が近づきにくい人家の軒先などをすみかにした。持ちつ持たれつのような関係を築いた特別な鳥であろう▼つがいは古い巣を補修中らしい。間もなく始まる子育ての光景は、巣ごもりの人に限らず癒やしになりそうだ。

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